第27話 雪が降る

真っ白な雪が窓の外を覆い尽くしている

一人で部屋の中に座っている

電気も点けていないのに部屋の中は明るくて


私がまだ小さかった頃

本を読んでいた

ほんのりとした

静かで気が狂いそうになるような時間

雪に閉じ込められてどこにも行けないという言い訳

閉じ込めているのは別の者であるとどこかで気づきながら


なんて

そんなことはどうでもいい

シシリエンヌを聴いていると

何も考えなくてよかった

ただ静かで狂いそうな時間に怯えていた幼い頃に

戻れるような気がするのです

あなたもそう言っていましたね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る