第8話 不眠
あれから、メンヘラとヤンデレの強烈にしつこい猛アタックやメンヘラかまってちゃんのメール、そのやり取りを嫉妬するメールの睡眠ブレイカーの日が続き、俺の心は変化しつつあった。
そして、心の中が爆発寸前な日がやってきた。
その日は目のクマがひどく、充血もしていた学校の登校日。
「おはよう。雅人、小説できた? 今日見せ合いする日だよ?」
イライラが募るが、爆発してはいけないと全力で我慢する。
「ご、ごめん。まだできてないんだ」
自分の心を抑えながら話す。
だが、ここで更に追い打ちをかけてくる者がいた。
「おはよう! 貴方がここに来るのを5時間前から待っていたの。手を繋ぎましょ」
(5時間もあれば次の小説も書けるだろ!)
怒りが増してくる。
「繋がない。早く学校行かなきゃ遅刻する」
心に余裕がないので、無理やり走って逃げようとする。
「ねぇ、なんでそんなに早く行こうとするの? 女? 女なのね。潰すわ!」
(うるさい! うるさい! うるさい!)
もう我慢の限界に達した俺は爆発した。
「うるさいんだよ!! 朝昼晩ともいちいちいちいち! メンヘラかまってちゃんは小説書けって言ったくせにメールしてくるから書けねえんだよ!」
柚木に言葉をぶつける。
「柚木ったら何してんのよ!」
驚くのは桜だが、この反応にも怒りが収まらない。
「お前もだ桜!!!、毎回毎回毎回毎回柚木のメールに嫉妬していちいちいち怖い文面送ってきやがって! 俺はお前らのせいで眠れてないんだよ! なのに、なんでお前らは小説書けてそんなに元気なんだよ!!」
そう言って走り去ろうとする。
「お前らなんか、大嫌いだ………」
最後に、その言葉を言ってから走ろうとする。
だが、不眠が続いたせいか意識が遠のく。
「「雅人!!」」
二人がそう叫ぶと同時に、まるで暗い罠にはまるように悪夢を見ながら眠りにつき、倒れてしまった。
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