ミノタウロスの憂鬱

姫亜樹(きあき)

ミノタウロスの憂鬱

気が付いたら迷宮の中だった

桜降る日差しの中

鏡に映るのは君の姿

ぼくではなく君の姿


右を見ても左を見ても

君しか映らない

鏡の迷宮の中

前に進むのも

後ろに戻ることもできずに

たたずんでいる弱虫なぼく


言葉に出せない想いが

くるくると取り囲み

どんどん大きくなる迷宮


君はぼくのそんな気持ちに

気付かずに

微笑ほほえんでくれる

友だちとして

そんな

君の姿がまぶしくて

いまだにぼくは

迷宮を抜け出せずにいる


君と別れる日が

近づいているのに・・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ミノタウロスの憂鬱 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る