217カオス わが家にスターウォーズが来たら
小学二年生の息子と一緒にお風呂に入っているとき、「R2-D2とC-3PO。わが家に来てくれるとしたら、どっちがほしい」という話になりました。
息子は「R2-D2!」と即答したのですが、わたしの考えは違います。わが家にはぜひ、C-3POに来てほしい。R2-D2じゃダメなのです。
スミマセン。いきなり。
金曜ロードショーで『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』が放送されてから、息子にはスターウォーズブームが再来しているのです。
今回は、「スターウォーズ」を見たことない人にはちんぷんかんぷんな内容だと思うので、「あ、わたしです」という人は、ブラウザバックして問題なしです(笑)
以下、風呂場で息子を観客に、「もしわが家にC-3POが来たとしたら」という小芝居をうったリプレイです。息子の名を出すのは不適切かもしれないので、とりあえず「アナキン」としておきましょう。ファントム・メナスのかわいいアナキンを脳裏に描いて読んでいってください。
★
「アナキンさま、アナキンさま」
「ここにいるよ、3PO。どうしたのさ」
(いっぱいにおもちゃが散らばった居間に寝そべっているがいる息子を見て、動作が凍りつくC-3PO)
「奥さまから、アナキンさまの宿題が終わったのか確認するよう申しつかっておりまして――」
「おわってるよ」
「確認させていただきます。宿題のノートはどちらでしょう?」
(居間を見回して放り出されたランドセルを発見するC-3PO。しかし、帰宅してからランドセルが開かれた形跡は見られない)
「……」
「どちらでしょう」
「……やっといてよ」
「はい?」
「3POが宿題やっといてよ」
(C-3POがにらんだとおり、息子は宿題を済ませてなどいなかったのだ)
「3POはコンピューターを搭載したドロイド(ロボット)なんだろ。算数なんて簡単じゃないか。代わりに宿題やっといてよ」
「それはいけません、アナキンさま。奥さまからは、くれぐれもアナキンさまの宿題を手伝うことのないよう、申し渡されております。第一、学校の宿題と申しますものは――」
「うるさいなあ! ぼくのいうことをきけないなら、改造しちゃうぞ!」
「……宿題を手伝わせていただきます」
★
「ねえ、3PO」
「どうかなさいましたか、アナキンさま」
(息子は家の中を見回して声をひそめた)
「となりの部屋でドッジボールしようよ」
「外ではなく、となりの部屋で、でございますか?」
「そうだよ。いまならお母さんも見ていないしさ」
(息子はいたずらっぽく笑ってみせる)
「それはいけません、アナキンさま。タンスが傷ついたり、襖が破れたりするので、うちのなかでドッジボールをしてはならないと、奥さまが」
「だから、お母さんに気づかれなければいいんじゃないか」
「そもそも、わたくしは600万もの宇宙言語を操れはいたしますものの、本来は通訳用ドロイドでございまして、ドッジボールのような野蛮な競技は得意とは致してかねております――」
「失礼なやつだな。ぐずぐす言ってドッジボールをしてくれないと、スポーツ用ドロイドに改造しちゃうぞ!」
「……ドッジボールのお相手を務めさせていただきます」
わたしの小芝居に、息子とふたり風呂場で爆笑したのですが、じっさいうちの息子には手を焼いているのです。うちにC-3POきてくれないかなあ。わたしと代わってほしい。
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