178カオス Web小説家の宿命
わたしたちは、カクヨム で小説を書いているアマチュアですけれど、いずれはプロの作家としてデビューしたいとも思っている――はずですよね。
カクヨムがはじまってから、そろそろ5年(!)たとうとしていますが、はじまった当初から不思議に思うというか、違和感を感じることがありました。それは――
① 読者がつかない。
② せっかく読者となってくれた人も離れていく。
といった感覚です。
このわたしの違和感を力強く補強してくれる動画があったので、その内容を少し紹介したいと思います。
その動画は、ミステリ作家の七尾与史さんがYouTubeに公開している動画で『ネット小説家の悲劇的末路』というタイトル。カクヨム で書いてるわたしたちにとって、非常にキャッチーな煽り文句であります(笑)
動画では、書籍化デビューを話したWeb作家さんとやりとりしたことについて、七尾さんが語っています。
その作家さんは、小説投稿サイトに公開した小説がランキング1位を獲得する大ヒット。出版社からオファーを受けて作家デビューしました。書籍化された小説もシリーズ累計20万部の大ヒット。でも、その作家さんには、なかなか次作のオファーが来なかったらしい。
普通は(紙媒体の小説家の場合)、それだけのヒットを飛ばせば次作のオファーが出版社からあってもいいところ、それがない。そこで「次作のプロットもあるんですけど」と編集者に水を向けると……
――だったら、それを投稿してランキング1位をとってください。
と言われたらしいのです。(これも紙媒体の小説家の場合、ありえない対応)
仕方がないので、サイトに投稿したところ、それがまったく読まれない! 同じ投稿サイトで圧倒的に支持された書籍化作品と比べると千分の一のアクセス数しか集められず、ランキングにすら表示されない結果となったそうです。
七尾さんは動画で言ってます。
「紙媒体の小説の読者は、作品はもちろんその作品を書いている作家にも愛着を持ってくれて、次作を書けば読んでくれる。でも、ネット小説はちがう。ネット小説の読者は、作品には愛着を持っていても、作家には愛着を持ってくれないようだ。ネット小説の編集者は、そのことをよく知っている」
「ネット小説家は使い捨て」
ひどい……。でも、まったくそのとおりだと思う。
Web小説の読者さんのよいところは、投稿された拙い小説の中に「良いところ」や「萌えポイント」を見つけてくれて、それを支持、応援してくれるところです。(なんか、いまどきのアイドルグループとそれを支えるファンのような関係か)
でも、それは地力のないWeb作家の小説を、実力以上に過大評価してしまうということにも繋がっているのかも。
こうした読者さんは、作者の書いた物語をおもしろがっているのではなくて、キャラクターの性格設定や複数キャラクター同士の関係性をおもしろがって読んでいるのではないでしょうか。
同じ作家による小説でも、推しのキャラクターが登場しない別の小説になってしまうと、読者さんはその新しい物語に乗れない――だから、同じ作家であっても別の作品は読まれないということなのでしょう。
それがわかっている編集者は、大ヒットしたWeb作家の次作を書籍として出版しようとはしなかったのです。作家にとってみれば冷たい対応ですが、出版社は商売でやってるのですから、ある意味当然の対応といっていいのかもしれません。
じっさい、書籍の販売ランキングと違って、カクヨムで同じ作家さんの作品が、ランキングのワンツーを占めるって見ないでしょ。
そういうことなんだーと、深く納得した動画でした。
ところで、わたしの書く小説はキャラクター性が低いですから、ひとつの作品が気に入ったのなら別の作品も読んでもらって、なんの不都合もないですよ〜。間違いない(笑)
なんですか? キャラクター性以前の問題であなたの小説は読まれない?
ごもっとも……。
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