175カオス 小説を書いた理由
12月2日から短期集中連載していた『青海剣客伝』ですが、大好評のうちに9日、連載を終了しました。読んでいただいたみなさんありがとうございました。雪うさこさんには、過分なレビューまでいただき、感謝感激、雨あられです。
https://kakuyomu.jp/works/1177354055093681738
さて、今回はこの『青海剣客伝』をネタに一本エッセイを書いてみようと思います。さて、どんなお話になるものやら……。
『青海剣客伝』に関していうと、おかげさまで大勢の方に読んでもらっていて、ありがたいと感謝しています。
全八話、公開12日で195PV、☆12です。(2020年12月13日21:35現在)
わたしが書いたもう一本の時代小説『紅蜻蛉(あかとんぼ)』が全10話、公開2年4ヶ月で230PV、☆20であることと比べてみれば、いかに今回読んでもらえたかということが分かります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886658579
二年で230PVって……と思われるかもしれませんが、これがカクヨム における時代小説の現実です。
読んでくれたみなさんのコメントにも、「時代小説は読まないんですけど……」という枕詞を置かれる方がいます。もう――趣味じゃない小説を読んでもらって、ホント感謝しています! みなさん、心が広い。
じつは、わたしの読書傾向(すなわち、わたしの執筆傾向)と、カクヨム 内でのわたしのフォロワーさんたちの読書傾向(執筆傾向)って、かなり食い違ってるんですよ。むう、不思議。エッセイつながりだからですかね?
わたしはSFや時代小説が好きなんですよ。でも、わたしが読みに訪れるフォロワーさんたちの小説に、そういうの少ないですもん。
こういう人たちに日々、カクヨム でお世話になっているわたしが新たに投下する小説が、時代小説だなんて――。ほんと申し訳ない。フォロワーさんたちに対する裏切りかっ……て、ひとり葛藤しながら書きはじめたのが『青海剣客伝』だったんですね〜。
ま、カクヨム ユーザーと時代小説の読者層がこうも重ならないのかと、残念すぎる部分もありますけど。
ここからは、わたしが『青海剣客伝』で書きたかったものについて書きます。興味ないでしょうが、書きたくなってしまったので(笑)
書いた理由は、リアル世界でいろいろと煮詰まること(主に仕事のことです)があって、スッキリしたかったんです。さくっと書けるテンプレなストーリーでスカッとしたかった。心に溜まってるドロドロとした老廃物をデトックスするためには、ストーリーを練るようなことはせず、どっかから拝借してちょちょっと書いてやろう――と書いたのが『青海剣客伝』だったのです。
この小説、藤沢周平の短編集「たそがれ清兵衛」(新潮文庫)に入っている小説のセオリーをなぞっています。いずれも次のような構造をもった小説たちです。
――パッとしない評判を抱えた下級武士が、自分の意思に関わりなく藩の命令によって望まぬ決闘を強いられるが、自身の剣の腕前ひとつで、その運命を切り開いてゆく――。
ね、『青海剣客伝』って、小説の構造をそのまんまいただいてるでしょ。二次創作の一種かもしれないです。
書いて分かりましたけど、難しいです、セオリーどおり書いてもおもしろいものを作るのは。とても、藤沢周平にはなれません(笑)
でも、楽しかったんですよー。時代小説を書くのは。時代小説が好きな人なら、ニヤリとするだろうなという表現をところどころに織り込むこともできたし、小説の出来、不出来以前のレベルの話になりますが、わたしなりにかなり満足のいくものが書けました。どこまでも楽しかった。
これ以上書くと苦しくなりそうだけど……(爆)
さいごに、「たそがれ清兵衛」は、山田洋次監督が撮った映画『たそがれ清兵衛』がおすすめです。公開当時、その殺陣シーンにびっくりしました。あれは小説じゃあ書けない、DVDで観るしかない。傑作。
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