168カオス もっと未来へ
先日、アメリカの権威ある文学賞「全米図書賞」を柳美里さんの『JR上野公園口』が受賞したというニュースを目にしました。例によってわたしの情報源、ヤフーニュースで知ったのです。
ヤフーニュース読まれている方は知っていると思うのですが、ヤフーニュースではそのニュースに読者がコメントを寄せることができるんですよね。それも結構偏った……。
わたしは結構コメント欄に目を通すのですが、柳美里さんのニュースのコメント欄には辛らつなのが多かった。柳さんの過去についてあれこれとりあげて、受賞を素直に喜ぶことができないといったような内容が代表的。
大きなお世話だろ。
わざわざネットに書き込むことか?
柳さんのこと直接知らないんでしょ。彼女のネガティブな情報も正確に知っているわけではないんでしょ。しかも、過去のことじゃないですか、仮にそうしたことがあったとしても、いまの柳美里さんはあしざまに言われるような人じゃないかもしれないじゃないですか。
なんでいつまでも、過去のこととをほじくり返そうとするの。
もっとこれからを見ようじゃないですか。
バブル経済がはじけた後、本格的に景気が悪くなってきた90年代後半以降(柳さんが芥川賞をとったのが、まさにこの景気の悪い時代だった)、過去の出来事をほじくり返して、個人攻撃することが非常に多くなってきたと感じる。
景気が良かったころはそうじゃなかった。みんなもっと前向きだった。今日はだめでも、明日が今日を上書きしてくれると信じることができた。
いまは、昔のことばかり見てる。
ある出来事について、ネットで検索するとずらずらっと覚えきれないほど情報が画面に表示される。柳美里と検索すれば、彼女の過去のことはいろいろ分かる。いいことばかりじゃなくて悪いことも。
でもそれは、過去のこと。もう終わったこと。
これから起こることは、だれにも分からない。もちろん、ネットのどこにも書かれていない。未来のことは検索しても分からないのに、人はなんでも検索してああだこうだと語りたがる。
もういいんじゃないですか。そんな
芸能人の過去の不倫や、犯罪をほじくり返したり。それって、だれの得なの?
もっと未来に目を向けようじゃないですか。予想される未来が暗いなら、明るく照らそうじゃないですか。
どうやって?
うーん、やっぱり小説を書いて……かなあ。
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