72カオス 小説の書き方

 在宅なので、以前買った本を読んでみた。私は本を読むときに、気になった箇所に付箋を貼るようにしています。あとで読み返すときに良い目印となると思ったからですが、そもそも「付箋を貼ってみようかな」と思いついたのがこの本を読んだ時のことでした。


 『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』(大森望・編 早川書房)


 この本は、評論家の東浩紀さんの経営する会社「ゲンロン」が2016年から開講している「ゲンロン 大森望 SF創作講座」の第一期講義の抜粋と受講生の作品の一部からなっています。(本書序文より)


 小説のって世の中にたくさんあって、私もいろいろと読んできましたが、中でもこれは実践的な本で、小説を書く上でためになります。


 SFの書き方――と銘打たれた本ですが、小説一般の書き方に共通するポイントも多いので、今回はこの本から私が付箋を貼っている箇所を抜き出して、ここに書いてみたいと思います。





◯ 設定の説明からはじめてはいけない。


 小説の冒頭に、舞台やキャラクターの説明を持ってきてはいけないという指摘です。それが小説の核心に関わるものであればあるほど、物語のクライマックスか、オチの部分に持ってくるべきだと。


 うーん。そうなんですけど、書きたくなってしまうんですよね。良いアイデアというものは(笑)かなり枚数が進むまで書くのは我慢しましょう。


● 書き手は結論を明確に抱いて、それを伏せる。


 人は隠されたものには興味をもつ習性がある(笑)らしいです。これが「面白さ」につながると。面白さはエンタメ小説には必須の要素ですからね。


● 意外なものをポンとだす。


 みんなが知っている、するっと頭に入ってくるものの場所に、するっと入らないものをあえて置く。するととても意外に感じます。この、意外性が面白さにつながるらしいですよ。


● 冒頭で謎をつくる。


 これはある意味セオリー。「冒頭に死体を置け」とか言われますからね。物語を引っ張るのは、どんな形の小説であれです。ミステリーはもちろん、SFだって恋愛小説だって、謎に惹かれて読者は小説を読み進めるものでしょう。


◯ 梗概はきちんと書く。


 梗概こうがいとは、「あらすじ」のことです。公募小説賞のなかには、原稿とは別に梗概を付けるよう求められる賞があります。(日本ファンタジーノベル大賞などはそうですね)


 Web小説の公募など梗概を求められない賞もたくさんありますが、自作のプロットをしっかりしたものにするためにも梗概が書けるようになった方がよいそうです。 





 今回、ここにあげたのは、作家の冲方丁の回で冲方さんが指摘した項目を主に取り上げています。あとここには書けませんでしたが、円城塔さん(名前が「トウ」繋がりだ)がこの本の中で話している内容も、興味深かったですね。


 今日、ここに書いたことは私もよーく思い出しながら、次作に取り組んでみたいと思います。


 さあ、SF書くぞー!

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