70カオス あなたの小説が読まれないわけ

 私たちは、カクヨム で小説やエッセイを発表しています。小説やエッセイは、文字によって表された情報といえるわけですが、この情報が読者の手元に届いていない――というのは多くの人が感じていることではないょうか。


 なかなか小説のPVが伸びなくて、書き手である私たちがもやもやするアレです(笑)


 ひと昔前とちがって、スマホがネット環境か整ってきた現在、ネット経由で情報を受け取ることが手軽になってきたにも関わらず、どうして私たちが苦労して発表した情報(情報)は受け手に届かないのでしょう。


 本を買おうと書店に出かけて、いろいろと本を物色し、悩んだあげく、「どうも面白そうなのがないなあ」となにも買わずに帰った経験ありませんか。私はときどきやらかすのですが、これ「選択回避の法則」というらしいですね。


 人はあまりにたくさんの選択肢があることを示されると、なかなか決められなかったり、ことがあります。これが選択回避の法則。


 最近の書店は、大規模書店による寡占化が進んでいてなおさらです。


 そんななかからも、人は本を選んで買って帰るのですが、それってシリーズものであったり、同じ著者の本だったりしないですか? それ「現状維持の法則」です。


 人は特別な理由がない限り、現状を維持して過去と同じ選択をしやすい――現状維持の法則。


 有益な情報も、それが有効に生かされるためには、それら情報を分析し、他の情報と関連づけ、受け取る人にわかりやすい形にまとめる作業が不可欠なのです。


 何の話かって?


 私たちの小説が読まれないのは、同じカクヨム のなかに、私たちが書いたのと同じような小説が、それこそ星の数ほどあるというのがそもそも問題なのです。


 読者の人たちにしてみれば、わざわざ見ず知らずのWeb作家のページにまで出かけていって、海のものとも山のものともわからない小説を探して読む――なんてことはやってられないわけです。選択回避の法則に従ってるわけ。


 Web小説の読者には、それぞれ好みの小説とかお気に入りの作家というものがすでにあり、「好きなジャンルだから」「この作家さんのファンだから」と、主にそうした理由で読む小説を決めています――現状維持というか、そうでもしなければたくさん小説がありすぎてのです。


 かくして、カクヨム では選択回避の法則と現状維持の法則がまかり通っているわけで、あなたの小説が読まれないからといって、そのことがあなたの小説がつまらないということを示しているわけではないとわかってもらえたでしょうか。








 なんで、いまこんなこと書いてるかといいますと、新型コロナウイルスの関係でです。


 非常事態宣言があってからこっち、メディアは「コロナ、コロナ、コロナ……」ってコロナ一色じゃないですか。テレビもネットもSNSも。そして、それらメディアに山のような情報が出回っているでしょう。それこそ玉石混交、虚実ないまぜのままに。


 で、どういうことが起こっているかというと、情報を受け取る側の人たちが、ように見えるんですね。


 ◯ 若い人は感染しない…とか

 ◯ 日本人は軽症ですむ…とか

 ◯ 日本では医療崩壊は起こらない…とか

 ◯ 中国が作った生物兵器だ…とか


――そうかもしれません。でも、そうじゃないかもしれないじゃないですか。でも、そう信じたい人は、「そうではないかもしれない」という検討を加える前に信じてはいないですか。


 選択回避と現状維持の行き着く先は、「思考停止」ですよ。自分自身で考えることなく、情報を受け取っていては、ほんとうに有益な情報を受け取ることはできないのです。私自身はそうならないように気をつけたいですね。








 カクヨム の読者さんたちも、あまりにたくさんある小説の前に思考停止に陥っているため、私の小説のよさに気づかないでいるんでしょう……。


 ちがう、ツマラナイから?


 うーん、どちらなのか少し検討させてください(笑)

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