第三十九話 十階層 2
グレイさん達をマイルームに逃がした私は、
「全力で行くよ~!」
笑顔で叫んでいた。
ダンジョンはとても頑丈で滅多なことがない限り壊れはしない。
こちらに向かってくるゴブリンマスター二体。
「サンダーショット」
今までは五。六発弾を展開するだけだったが今回私が展開したのは三十発。
これでも全力の一割程度。
「フィールド展開、いっけ~」
フィールドの展開とともに全発一斉に放つ。魔法は全て左側にいるゴブリンマスターに命中する。
「倒せたかな?」
命中の時の煙で倒せたかどうか見えない。
その間にもう一体がこちらに向かってきている。
ゴブリンマスターは、火魔法のファイアーボールを五つ展開してこちらに向かってはなってきた。
「フレイ解除、アクア憑依」
「任せといて」
私は火に対抗する為に火の精霊フレイとの融合を解き、水の精霊アクアと融合する。
「ウォーターシールド」
巨大な水のシールドを目の前に展開する。
ファイヤーボールは水のシールドに当たり消えてしまうが、その間に目に前に迫っていたゴブリンマスター。
頭上から斧が振り下ろされてくる。
私はそれを左手の刀が受け止めながら右手の刀を一振り。
だがそれをギリギリの所でかわされる。その間に先程魔法を受けたゴブリンマスターがこちらに迫っている。
ダメージは確実に与えられているみたいだけどまだ倒すまでには行かないかな?
それなら、もう少しだけ本気だそうかな。
「サンダーボルト」
二体の頭の上から雷が落ちる。
今回の威力は全力の二割。
雷を受けたゴブリンマスター二体はしびれて動けなくなっている。
「雷速」
私は一瞬でゴブリンマスターに近づく。逃げようとしているが体がしびれて動けないようだ。
「属性エンチャント水」
左手の刀に水属性を付与。
そのままゴブリンに一太刀与える。
まず一体倒した。
残りは一体。
「アクア解除、アース憑依」
「待ってたよ!」
今度はアクアとの融合を解き、土精霊アースと融合する。
「アースランス」
先端の尖った土の槍が五十本私の後ろに展開される。
これで終わりにだよ。
土の槍はゴブリンマスターめがけて一斉に飛んでいく。何とか回避しようと逃げ回っているがこちらの魔法の方が早いくゴブリンマスターを貫いた。
五十本の槍に貫かれたゴブリンマスターは跡形もなく消えてしまった。
私はドロップアイテム異空間収納にしまった後、
「ミレイ様、何故私の言うことを無視してマイルームを使われたのですか」
覚悟していたフレイのお説教タイムの始まりである。
私はその場に正座させられた後、フレイのお説教一時間ほど続いた。
「ミレイ様、分かりましたね」
――はい。
疲れと足のしびれでもう限界。
「なんですかその覇気のない返事は本当に分かっているのですか?」
「分かってま~す!」
大げで叫んだ。
「グレイさん達はどうするんですか?」
――このままかな?
外に出してもこれからの戦闘ではかなり厳しいかもだし、それならこの中にいてもらう方が安全でいいよね。
などと考えていた。
「分かりました。ですが後の事もしっかりと考えといて下さいね」
――は~い。分かってま~す。
軽く返事を返してから私はマイルームを開く。グレイさん達を入れているのとはまた別の空間。この中は、野宿をしたり、ダンジョン内で休むときにつくっておいた物で中はあまり広くないが、ベットと机が置いてあり、保管庫も完備してる。
グレイさん達を入れている方は辺り一面の草原に端っこに一軒家がある。その中に五つほど部屋用意されている。この空間は私が魔法の特訓をするために作った物であるため空間じたかなり広めに作ってある。
そしてこのマイルームは中に入ることで創造魔法を使うことが出来るようになる。ただしこの中で生み出した物は空間の外へと持ち出すことは出来ない。私はこの創造魔法でモンスターを生み出し戦闘訓練を行っていた。
今日はもう疲れてしまった私は、
――今日の所は一旦休もう。
「そうですね。外では多分夜になる頃です。妥当な判断かと思います」
フレイも賛成のようなのでマイルームの中に入っていく。そしてそのままベットの上に横になり寝てしまった。
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