発表予定

短編 2021/3/16更新

◎書き終えているもの


「六年二組の学級委員」

 帰りの会を指揮する学級委員のお話。ずいぶん前に書き上げてるんですが、どうにも地味な気がしてお蔵入りになった経緯があります。コミカルな1人称語りが気に入っています。



◎ちょっとでも書いてるもの


「海が太陽のきらり」

 自主企画「筆致は物語を超えるか」に参加すべくプロットを立てました。方向性としては「プロットは物語と筆致を超える」というわたしの創作論を最大限に反映したものになりそうです。KACシリーズ――特に「真夏の夜の……」路線のエンタメ性と、これまで培ってきたプロットの技法、テーマ意識を組み合わせて、トリッキーな本格青春ミステリに仕上げる予定。プロットの時点ではかなり自信があります。うまいこといけば新たな代表作になるんじゃないかと。


「相方」

 ラブコメを書こうと思う――突如そう切り出した「相方」と「わたし」の関係を描く現代ドラマ。考えてはみたものの絶対に書かないだろうなというラブコメ長編の構想過程を小説として脚色して描いてみようという実験です。ボツ構想をディテールとして再利用してるわけですね。


「メドゥーサ」

 小学校の統廃合であぶれものになった少女2人が、クラスメイトをぎゃふんと言わせるため、心霊写真を撮りに行く話です。「the cat's meow」の直後から書いている話で、あの路線を引き継いでいます。進捗状況としては50%と言ったところ。


「ショート・バケーション」

 さいたま市を舞台に繰り広げられるファンタジックな逃亡劇。生き別れの父親と久しぶりに再会した娘がともに街を駆け巡ります。


「空と土の子供」

 一言で言うと、自分を大久保清の息子だと思い込んでる少年の話です。信頼できない語り手の手法で書かれてます。といっても、まだ冒頭しか書いてないのですが。


「向日葵の手紙」

「わたしはあなたに殺されるでしょう」そんな予言からはじまる書簡体ミステリ。1次創作の1作目「きみと帰る道」を大幅に改稿した話で、かなり研ぎ澄まされた構成になっているはずです。これもまだ冒頭だけですね。そう長い話じゃないんですが。


「よくないもの」

「りんごシリーズ」の1作。池袋に入り浸る美月のお話。50%くらいは完成してるはず。


「heart break murder case」

 事件もの。「失恋したから人を殺した」と供述する少年の心の闇を「藪の中」形式で描いています。進捗は70%くらい。


「魔法少女症候群」シリーズ

 また魔法少女ものかよと言われそうです。短編4本と中編1本を組み合わせた構成になる予定だったのですが、中編の方がなかなか難しくて立ち往生してしまった経緯があります。とまれ、短編の方はほとんど完成してるので、順次発表していけるかも……しれません。少なくとも1作目の「不条理の国のアリス」はもういつでも発表できる状態だったりします。これは別所で公開していたものの改稿版になります。



◎考えてるだけのもの


「そばのよう」new

 三年前、実父の首を切り落としながら、裁きを逃れた少年。義理の姉に手打ちのそばを振舞う彼の心情、そして、三年前本当に起こったこととは。


「秋茄子ちゃんねる」

 うちの看板娘・秋茄子ちゃんを狂言回しとした現代ドラマ。


「葉桜の君に」

 自主企画「筆致は物語を超えるか」用。今度こそは期間内に完成させたいところです。例によってトリッキーな構成の現代ドラマ。


「おやすみミルキーウェイ」

「カクヨム2020夏物語」用の構想。「誰が白ワンピの少女を殺したのか」より文字数を抑え、かつ、新型コロナウイルス騒動を踏まえた内容にしようという話なんですが、どの部門に投じればいいのかわからないのが問題です。内容としては、都市封鎖が続く中迎えた2020年の七夕に、疎遠になっていた幼馴染みが妹の訃報とともに家を訪ねて来るという切ない筋書きになってます。


「古都の狐」

 長編「heaven and earth」の前日譚。話の構造が入り組んでて説明しづらいのですが、修学旅行の自由行動で、京都を舞台とした作中作の聖地巡礼をする二人の少女の話です。


「羽と肉球」

「りんごシリーズ」の1作。飼い猫が死に深く悲しむ市川家の長女、小町。彼女と妹つぐみの関係を、居候である知佳の視点から描きます。


「地中海の戦士」

「りんごシリーズ」の1作。幼馴染みが大人の女性と一緒にいるのを見かけてしまった櫻子。疎遠になってしまった彼と櫻子の過去を、二人の間に立つ知佳の視点から描きます。


「メアリー・スーはうつむかない」

 わたしが魔法少女じゃないと証明できるかい?――与太好きの先輩とマジレス後輩の密室での攻防を描く会話劇。「お花茶屋アイリスの吸血ごはん」の系統ですね。ネット小説でよく見かける、名探偵口調(?)の理屈っぽい女先輩を自分なりに描いてみようと。また、いっぺんちゃんと魔法少女を描いてみようという試みでもあります(ホンマかいな)。


「誰が白ワンピの少女を殺したのか」

「カクヨム2020夏物語」のSF・ミステリー部門に出そうと思って考えたのですが、どうにも規定の文字数に収まってくれそうにありません。内容としてはタイトルに反してお得意のホワイダニットで、動機のぶっ飛び具合は戸松史上最狂と保証できます。本当に酷い。ボーイミーツガール調の青春ミステリがやりたかったのにどうしてこうなるんでしょうか。


「英吉利咖喱の悲劇」

 私立探偵の視点でロス・マクドナルド風の家庭の悲劇が書きたかったんですが、タイトルから察しがつくようにちょっと間の抜けた構想になりました。カレーの悲喜劇と言ったところです。カレーが評判のイギリス料理チェーン「クイーンクイーン」の社長令嬢が失踪して、婚約者が捜索を依頼するところからはじまります。これよりさきスパイス領域。


「ミニスカメイドなんてハニトラに決まってるでしょうが!」

「わたしと幼馴染みのどっちが大事なんですか」と同じく、浮気を疑うヒロインに詰問される気分が味わえる独白体ラブコメです。ただしこっちは上流階級の世界が舞台で、設定もちょっとだけ複雑です。例によって鈍感すぎる聞き手と疑り深い語り手の認知の落差によってサプライズを演出していきます。


「白百合じゃないけれど」

 毎年庭に咲く、妻の女友達が好きだった花。妻と彼女の思い出とは? という男視点の百合。元々KAC4、KAC5に出そうと思っていたものの間に合わなかった話です。


「博多天ぷらは革命の味」

 ちゃきちゃきの江戸っ子が博多天ぷらの店に行ってみたら世界が変わったという話を食レポ文体で書きます。ジャンルはSFです。


「うちの猫に触れないで」

 彼女持ちのイケメンとひょんなことから交流を持つことになった地味めな女子中学生のお話。ラブコメですがけっこうせつないです。


「あなたしかいないのに」

「ずっと好きだったあなたへ」の路線でもうちょっと凝ったことをしてみようという話。ただ「名もなき星にさよなら」とネタが被ってるのが悩ましいところです。


「雨の洋館の密室で」

「探偵は偶然も幽霊も信じない」そんな信条を持つ探偵が直面する嘘のような「偶然」を「幽霊」本人の視点から描きます。麻耶雄嵩や城平京を視野に入れつつ、本格ミステリとはもはやここまで自由に書いていいジャンルなんだと証明してみようと。まあ、わたしなりに本格を書こうとしたらこうするしかないというだけなのですが。


「これで香織も浮かばれる」

「これで香織も浮かばれる」男が死に際に放った一言が何を意味するのかを巡って、死神たちがああでもないこうでもないと推理を繰り広げる安楽椅子探偵ものです。言うまでもなく「九マイルは遠すぎる」オマージュですね。やっぱり「本格は自由だ」という話でもあります。


「終末のナイトウォッチ」

 森羅万象を遍く予知する「時計塔」。その恩恵に与り、万物を観測し理を書き換え、未来さえもねじ曲げる者たちを人は「魔術師」と呼んだ。魔術師の青年に仕える少女が主人と共に目撃する「未来」とは。世界の未来を巡る異世界バトルファンタジー。少年漫画誌の読み切りっぽいイメージで考えてます。


「アリスなんかじゃない」

「君じゃなきゃダメなんだ」転校生のわたしは同級生の男子からいまにも潰れそうな同好会「神智学研究会」の勧誘を受ける。それを快く思わないのが、堅物の生徒会長で……平穏な学園生活を望むわたしの明日はどっちだ。イケメン2人に言い寄られる(?)コミカルな現代ファンタジーになる予定。


「東京デモンズゲート」

「りんごシリーズ」の1作。知佳と櫻子が上野でデートします。短い話ですが、まったく手をつけてません。


「17」

 ファム・ファタール、あるいは運命の恋――アンドロギュノステーマを題材とした青春ノワール。17歳という荒ぶる時期の少年を主人公に、静かな狂騒を描きます。ノワールの代表的作家デイヴィッド・グーディスの文体を借用し、独自の使い方をする予定。


「La Vie en noir」

 信頼できない語り手の手法で描かれた、少しファンタジックな青春ノワール。姉を殺した殺人犯――白いバンを追って、少年が街をバイクで疾駆するという内容。ボーイミーツガールの要素もあります。ある意味で中二病テーマ。


「間宮家の七兄弟」

「明日が来ない場所」や「Lost in the Loop」同様、日常系アニメをベースとしたミステリ。仲がいいように見えて、その実、表面的なつながりしか持たない少女たちが一歩を踏み出そうとする話です。


「大場家の三姉妹」

 仲のいい三世代――祖母、母、娘を中心に回る大場家。そこで存在をほとんど無視される父親のフラストレーションを描くドメスティック・ミステリ。主題から導き出された大きな一発ネタがあり、見せ方がうまくいけば受けるのではないかと。「○○家の××」というタイトルの構想はほかにもいくつかあり、いずれも家族を題材としています。


「子供の王国」

 とある少年事件を題材に、家出を敢行する少年を、その道連れとなった幼い少年の視点から描きます。



◎リライトしたいもの


「ハロー、ワールド」シリーズ

 連作なんですが「白昼夢」以降の3作を書き直そうと思っています。不条理とミステリの止揚に挑んだ野心作だったんですがもうちょっとわかりやすくしようと。


「Lost in thd Loop」

 これも難解な話なのでもうちょっとわかりやすくする予定です。元は「明日が来ない場所」という既存作がベースになってるので、2回目のリライトになりますね。これと「ハロー、ワールド」の3作はスランプ手前の暗黒期を象徴する4作と言えます。


「絶滅の園」「鏡よ、鏡」

 ある種の連作なんですが、リハビリ期に勢いで書いてしまった話なので、ちゃんとした形に改稿しようと思っています。構成はそのままにディテールを大幅に強化しようと。

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