デメテル1
ピューッ、バシッ!
「…いっでぇ‼️」
何かに包まれて地面から1~2mほどの高さから落とされた。おそらく片栗粉水のようなダイラタンシー現象が起こったのだろう少しずつ沈んでいき膝辺りまで沈んでいった。その頃にはだいぶ落ち着いてきた。
「…ここはどこだ?」
白い。第一にそれを考えた。しかしおかしい。ずっと明るいままだ。手前も奥も。そして果てが見えない。鞄もスマホも真っ白い本もある。
「
明日のサーティワン無理そう…。
「…ずいぶんと落ち着いているわね。」
急に後ろに気配ができ、おもいっきり後ろに向く。後ろにいたのは
「…別嬪なねーちゃん。」
ものすごく綺麗ないや綺麗では表現しきれないような女が居た。でもすごくポカポカしてそうな人だ。手にはハリー・ポッターに出てくるような古くさ‥‥古風なゴブレットを持っている。
「ふふっ、ありがとう。あなたは誰?」
「私は…
「あなたは女の子?ずいぶんと凛々しいけど。」
「あー、女です。一応。」
私はスカートが嫌でスラックスを履いてリボンの代わりにネクタイを閉めていた。背も上げていたし女かどうかも分からなかったのだろう。
手を引っ張りたたされるとゴブレットを渡され飲むように促された。
「私はペルとでも読んでちょうだい。敬語も良いわ。職業は…農家みたいなものよ。」
ゴブレットを返したときに気がついたがずいぶんと背が高い。多分170ぐらいあるだろう。157の低身の私は完全に見上げることになる。
「そんじゃあ、遠慮なく。早速で悪いんだがな、えっとペルさん?あんたは何者だ。そしてここはどこだ。」
なんとなく分かった。Κόσμο του Θεούと書かれたギリシャ語の白い本に、農業。ペルと言う忍び名を持つ女性。わたしのキャパシティは限界を超えつつある。おそらくギリシャ神話の女神である‥‥‥
「ふふっ、きっとあなたは分かっているでしょう。ゼウスの姉…」
「豊穣と農耕の神、デメテル…?」
そんなことはあり得ない。だって…
「こっ、ここ日本だよ!?」
挙動不審になっているのがわかる。
「あっ、あの本はねぇ「ちょっ、ちょっと聞いてくれ」待って、あの本はね。私も良くわからないけど開いた者をここに自動的に飛ばす…
ブラックアウトしそうな意識を必死で保つ。
「あい、分かった。取り敢えず帰らせてくれ。私は用事があるんだ。」
多少イラつき始めていた。
「あのね…その事なんだけど…」
「なんだよ。一体…。」
貴方はネクタルを飲んだのよ。それがなにを意味するか分からないかしら。
まじかよ…。あんた
こうして私は神に限りなく近い人間になった。
《解釈》
デメテルの娘、ペルセフォネは伯父にあたる冥界の王のハデスに連れ去られ無理やり妻にされるが、デメテルは自分に不許可で結婚の許可をしたゼウスに激怒し仕事を放棄。ペルセフォネ。それから作物が育たなくなりゼウスが取り直しペルセフォネはデメテルの元に帰れることになった。しかし地上に帰る前にペルセフォネはハデスにザクロを4粒食べさせられ冥界で一年の4ヶ月間過ごすことになった。ペルセフォネが冥界で過ごしている間、デメテルは
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