第4話「薬子(くすりこ)」
和室。座卓を挟んで
媼は幾分しわがれつつも、
「あたくしは娘の時分、
薬子とは身分の高い人のために毒味を務める未婚の少女だ。怖くなかったかと訊ねると、薬子は早くから素質を見抜かれ、世間とは隔離されて、言わば温室で純粋培養されるので、敵もおらず恐怖心も育たない……との答え。幸い命の危険に晒されることもなく、
老いた薬子は猫のようにチロッと舌を出して酒を舐めた。お飲みなさいと目顔で促されたが、少し黙って様子を見守りたいと思った。
*雰囲気画⇒https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/ts0C7oTI
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