第14話 ファミレスのドリア


 ファミレスのドリア、安くて美味しいです。


 お財布に優しい。


 今日はデザート食べなくてもいい感じですね。


 けっこうお腹がいっぱいです。


 チーズって、けっこうお腹が膨れますね。


 それにデザートは食べてませんが、ドリンクバーで甘いジュースは飲めますし。


 食後のオレンジジュース、いいですよ。


 爽やかな、甘さって感じで。


 おいしい。


 飲み終わってしまったので、ドリンクバーにおかわりに行こうとしていました。


 と、そこでS村に肩を叩かれました。


「じゃんけんで、負けた方がジュースを入れに行くとか、どう?」


 とS村は提案してきました。


 いい度胸ですね。


 この私にじゃんけんを挑むなんて。


 さて、じゃんけんの結果ですが。


…………私がパーで、S村はグーでした。


「オレンジジュースね」


 と言って、私はS村にコップを渡しました。


「次は絶対にまけない」


 捨て台詞を吐いて、S村はドリンクバーのほうに行きます。


 というか次はない。そんなに飲めない。


 S村がドリンクバーでジュースを入れているのを見ていると、急に友だちに変なことを言われました。


「ねえ、S村と付き合ってるの?」


「え。……え? ないないないない」


 と私は否定しました。


なんでそんな風に思うのか。理由を尋ねると、「仲がいいから」と言われました。


仲、よくないんですが。


私はS村との仲が最悪であることや、S村と付き合うなんて絶対にありえないことを、誤解のないようにしっかり説明しました。


しっかり説明したのに。


友だちから「へー、じゃあまだ付き合ってないんだね」と言われました。


 まだってなんだ!


 と、S村が戻ってきているので、この話はここで終わりました。


 戻ってきたS村から、コップを受け取りました。


「ん、どうかした?」


 とS村に聞かれました。


「え、なんにもないけど」


 と私は答えます。


 何にもない、と言っているのに。


 S村は私が挙動不審だとか、なんかいつもと違うとか、無駄に話しかけてきます。


 こいつ、うるさい!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る