第10話 動物園のアイスクリン(前編)
くさい。
ケモノくさい。
動物園に来ていたのですが、動物の匂いに困っていました。
動物、別に嫌いではないですよ。
むしろ好きなんですよ。
動物のぬいぐるみとか大好きですし。
かわいい動物の動画を見るのも大好きです。
スマホで犬とか猫の可愛い動画を見てたら、あっという間に時間が過ぎています。
でもですね。
やっぱり本物の動物は臭いです。
肉食動物のコーナーも臭かったんですけど、一番臭かったのは鳥類のコーナーでしたね。
もう、フラミンゴの近くとかめっちゃ臭かったです。
色はピンクで綺麗なのに、匂いは最悪でした。
さて、そんな風に、動物の匂いが苦手な私が、なんで動物園にいるのか。
それはK太くんに誘われたからです。
K太くんは、前に私と行った映画館がとても楽しかったそうです。
そこでK太くんのお母さんから、また一緒にお出かけしてもらえませんか、と頼まれました。
私はすぐにOKしました。
私も、K太くんのこと大好きですから。
ただ、先に行き先を確認しておけばよかった。
OKです、と一度言ってしまったので。
場所を聞いた後で、やっぱり行けません、とは言いにくかったです。
「他の場所にしない?」と提案すれば、よかったじゃないか。
そう思われる方もいるかもしれません。
でも、動物園をめちゃくちゃ楽しみにしてるK太くんに、そんなこと言えますか?
なんでもパンダの赤ちゃんが見たいらしいです。
テレビで見たパンダの赤ちゃんがすごく可愛かったそうです。
楽しそうにパンダの可愛らしさを教えてくれるK太くんに、
「私もパンダ見るの、すっごく楽しみですよ」と言うしかありませんでした。
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