シモーヌ編 説明
『メイフェア!? セシリア!?』
メイフェアとセシリアの顔を見た瞬間、シモーヌがそう声を上げた。どうやら、彼女らの顔を見たことで、おぼろげながら蘇りつつあった記憶が繋がったみたいだな。
「これは一体、どういうこと? ここはコーネリアス号のメディカルルームだよね? 私、どうなったの……!?」
問い掛ける彼女に、セシリアが、
「それについては、
と告げる。
「
さすがに本来は同一人物。俺のパートナーのシモーヌと同じ反応をする。そんな彼女に、俺は、
「改めて初めまして。
「どこまで……?」
少し訝しげな表情で戸惑った彼女だったものの、すぐにハッとなって、
「! そうか…! 私達、不時着して、それであの不可解な何かに襲われて……って、え? 私、生きてる……!?」
少し混乱した様子でそう口にした。やはりまだ、あの不定形生物の中でのことについては思い出せていないようだな。加えて、救助された時の記憶についてはどうやら脇に置かれてる感じか。記憶の整合性が取れなくて上手く整理できていないんだろう。
だから、
「順を追って話しましょう」
改めて声を掛けた。
「あ、ああ、そうね……」
さすがに彼女もすぐに冷静さを取り戻す。そして俺は、
「まず最初にお断りしておかなくてはいけない。俺は、あなたと同じくこの惑星に不時着した遭難者で、救助隊とかじゃないんだ。申し訳ない」
改めて告げる。
「ああ……そうなんですね……」
シモーヌは残念そうな表情をしつつも、
「この度は助けていただいてありがとうございます」
と、やはり俺のパートナーのシモーヌと同じように丁寧に頭を下げてくれた。一応、『危機的状況から救い出された』という認識はあるようだ。今回は、タブレット越しだったからか、ハープティーのカップを手に座ったままだったが。
そんな彼女に俺も、
「いえ。俺達は当然のことをしたまでです」
応えて頭を下げる。その上で改めて、
「お聴きしたいことはたくさんあるでしょう。俺に分かる範囲については応えます。どうぞ何なりと」
告げると、
「じゃあまず、私はどうなってしまったんですか? この体はいったい……?」
やはりほとんど同じことを訊いてくる。だから、
「非常に申し上げにくいのですが……まず、今は星歴二一一六年。銀河歴で言うとおそらく三二七六年。細かい誤差は計算してないですがおおよそそのくらいであり、コーネリアス号の進宙からは二千二百年以上経ってる。そしてあなたは、秋嶋シモーヌのコピーです……」
「!?」
この時の反応も、俺のパートナーのシモーヌと同じで、椅子から飛び上がりそうに反応したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます