ホビットMk-Ⅰ編 大幅な軽量化
軍人として訓練時や戦場でロボットの応急修理などをしたこともあるビアンカや
「ごめん、正直なところ、ロボットについては
早々に完敗宣言である。まあそれは構わない。まだ時間的な余裕はあるしな。
新暦〇〇三四年五月二十日
ビアンカの妊娠も確定して<ビアンカ妊娠・出産計画>が次の段階に進み、
「コーネリアス号の北東百五十キロの地点を流れる河で、ボーキサイトを大量に含む泥が発見されました。これは、有力なボーキサイト鉱床の存在を示唆してます」
エレクシアからそう報告があった。調査に派遣した母艦ドローンとプローブおよびドーベルマンMPMらによって採取された河の泥から、アルミニウムの原料となるボーキサイトが大量に含まれていたという報告だった。
もちろんこれまでにも多少は発見されていて、電気分解を用いたアルミニウムの精製にも成功してたが、いかんせん量が少なくておよそ実用的じゃなかった。しかし、
「河の泥に含まれる量を考えても、泥一トンから抽出が期待できるアルミニウムは五十グラム。この周辺の河の場合ですとわずか二百ミリグラムであったことから考えますと、実に二百五十倍です。もちろん、河の泥から抽出するのでは非効率的ですが、ボーキサイト鉱床そのものが発見できれば、実用的な量のアルミニウムの確保が可能でしょう」
とのことで、これは大変な朗報だ。
「アルミ合金が作れれば、大幅な軽量化も可能か!」
他の素材はすでに発見されているので、十分な量のアルミニウムが確保できればジュラルミンが作れる。カーボン繊維も現在開発中だがそちらとも合わせ、
『軽量かつ強靭』
という部材が手に入る可能性が一気に増したな。まあそれでも、今のドーベルマンMPMに用いられている部材に比べればまだまだだが。
ちなみにカーボン繊維は、それに代わる素材が実用化されていることに加え、カーボン繊維そのものが一定の品質で作ることが難しいゆえに必要な品質を持つ製品を確保するのが難しく非常にコスト高などの欠点があったことで、今では限定的に利用されているだけだったこともあり、コーネリアス号の工作室では安定的に生産するのが難しい素材なのだった。
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