麗編 肆号機
ところで、『
しかし、<言葉>ってのは時代と共に、それが持つ意味そのものが変遷していくものというのも事実だろう。だから<
とは言え、そういうことが気になるということ自体、<内心の自由>に属することのはずだからな。煩わしいとは思いつつも、俺自身は気にしないようにしてた。
加えて俺は、それこそ『パートナーになった』という意味以外でその言葉を使うつもりも毛頭ない。難癖を付けるのは勝手だが、自分の<内心の自由>を主張するのなら、他人の<内心の自由>も認めなきゃダメだろう。何より俺は、ここに、<隷従>や<隷属>といった概念を作るつもりもないし、そうならないように努力したいんだ。
新暦〇〇三三年十二月十一日。
などと、それはさて置くとして、翌日は、新しい集落候補地についての検証を行う。
と言っても、実際には現地に確認に行くことにした時点でまあ、大体は決まったも同然なんだけどな。最終的に何か不具合はないかってのを念のために俺とシモーヌで確かめるだけで。
「特に問題はなさそうですね」
シモーヌの言葉に、俺も、
「ああ、俺もそう思う」
正直、追認するだけだ。
こうして、新しい集落の建設が開始されることになった。ちょうど、アリスとドライツェンの
製造のペースが安定しないが、これはまあ、ドーベルマンMPMを量産することになってそれでかなり間に合ってるから急がなくなったというのもある。今回は、新しい集落の建設に必要になったことでやや優先してもらった。
で、名前だが、
「
タブレットを通じて提案した。
ビアンカには初号機と参号機の名付け親になってもらったし、
しかし、そんな俺の心配に反して、
「そうだね、じゃあ、<あんず>と<ますらお>はどうだろう? 共に敢えてひらがなで<あんず>に<ますらお>だ」
さらっと応えてくれた。すると
「由来は?」
と尋ねてくる。それに対してビアンカが、
「少佐がこれまで乗艦した巡洋艦の名前ですね!」
嬉しそうに言ったのだった。
って、今度は軍艦か~い!
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