麗編 毛繕い
もちろん、パパニアンとして普通に生きられないからって見捨てるつもりとかはまったくない。そうなったのは結局、俺の所為だからな。
その俺の選択が影響したことについては、可能な限り責任を負いたい。
子供がどんな風に育つかについて、
『親の所為にするな!』
という声はいつの時代も上がるものらしいが、俺は、自分自身のことを思えば、そんな考え方はできないな。
これまでにも何度も言ってきたが、これからだって何度も言うだろうが、この世界に子供達を送り出したのは、何をどう言い訳したって俺なんだ。子供達には何の承諾を得ることもなく俺が勝手に送り出したんだ。その俺が、子供達の諸々について、
『俺の所為にするな!』
とか言って誰が納得してくれる? そもそも俺が子供達をこの世界に送り出す選択をしてなけりゃ何一つ起こってなかったことなんだぞ? 子供達にまつわるあれこれへの対処の一切合財が俺自身の尻拭いに過ぎないんだ。
その覚悟があればこそ、俺は、現実に則した対応を心掛けることもできる。
『子供自身が親を選んで生まれてくる』
なんていう<オカルト>を前提にした対応じゃなく、な。
大体、親を選んで生まれてこれるなら、こんなところに生まれてくるか? 普通は有り得ないだろ。誰が好き好んでこんなところに生まれたいと思う?
いくら俺自身は人間社会よりもここの方が幸せに生きられてると言っても、子供も必ず幸せを感じてくれるとは限らないだろう?
だとしたら、こんな世界に勝手に送り出した俺を恨んでもなんにも不思議はないじゃないか。
だからこそ、俺が努力するしかないんだよ。子供達に、
『生まれてきて良かった』
と思ってもらうには。
せめて、子供自身の努力で幸せを掴めるような状況だけでも作らなきゃ、駄目じゃないのか?
幸い、俺の子供達は皆、
『生まれてくるんじゃなかった』
とは思ってないそうだ。もちろん、大変なことがあった時には恨み言も口にするらしいが、少なくともそれが済めば心穏やかになってくれてると、エレクシアが、子供達の言ってることを解析してくれた。
そんな
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