メイガス編 時間経過
例の<不定形生物の中の世界>は、こことは時間の流れが違うと推測されている。非常に高度なシミュレーションを行っているからかもしれない。
だから、シモーヌやビアンカや
しかし実際には、二千二百年以上の時間が経っていた。
いわゆる<浦島太郎>状態だよな。
科学の世界でも<ウラシマ効果>と呼ばれるものがあるらしいが、
俺も、
かつては、ウラシマ効果を利用して自分だけ若さを保つというのが流行った時期もあったらしい。しかし、老化抑制技術の進歩と、『自分は若さを保ってる』と言ってみても、自分自身の体感の時間ではやはり老化の速度を抑えているわけではないから、
<ただの錯覚による自己満足>
でしかないことが実感されるにつれて廃れていったそうだ。
などとまた話が逸れたが、とにかく、メイガスも自身の感覚と実際の時間経過のズレには唖然とさせられたようだ。
それでも、
「そう…か……つまりシモーヌもビアンカも私と同じように、ってことか」
すぐに察してくれた。
だから俺も、
「ああ。シモーヌと
包み隠さず告げる。
すると、メイガスは、
「!?
と声を。
「そうか。
俺の説明に、
「なるほど」
納得したメイガスだったが、さらに、
「シモーヌや
と呟いたので、
「いや、メイガス。あなたも実は透明なんだ。今のあなたを俺達は<
補足する。これについては、
「ああ、なるほど。そういうことか」
彼女にとってもそれほど驚くに値しない情報だったらしく、すんなりと受け止めてくれた。けれど、
「ビアンカも、私のように大きな変化があると言ってたね。それはどういう……?」
とも問い掛けてきたのだった。
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