晴編 動物園
<密林最強クラスのハンター、マンティアン>
としてごくごく当然の生き方をしていた。その中で、<
「
タブレットに映し出される映像を食い入るように見ている俺を背を、シモーヌがそっと撫でてくれる。彼女の気遣いが嬉しい。でも、胸がぎゅーっと締め付けられる。
俺の<孫>と<曾孫>が、殺し合おうとしてるんだ。
分かってる。俺の血を引くすべての存在を一人も漏らさず守りきるなんてことはできないくらい。むしろここまで被害を出さずにこれたことが奇跡なんだ。
そして、野生に生きる限りは、俺の血を引く者同士がこうやって殺し合うことになるのも、すべてを止めることはできない。いずれはどこかで線を引かなきゃいけなかった。それだけの話だ。
でも、本当はやめてほしい。それもまた偽らざる気持ちだ。
これまでと同じように、<エゴ>だと承知の上で止めたとしても、シモーヌも
それも分かってる。
だが、
<人間(地球人)>と<彼ら>は違う。
こちらの感覚を彼らに押し付けるのは違うんだ。
彼らには人間(地球人)と同じ生き方はできない。俺のところで暮らしている
『
という環境があってこそのものだっていうのは間違いないと思う。
俺はその<
それもいずれは、<
でもそれは同時に、俺の下で育ったわけじゃない
思いっ切り開発して、まるで動物園のように<管理>すれば、もしかしたら戦わずに済むかもしれない。
だけど、『それは違う』という想いも確かに俺の中にある。
何もかもが俺にとって都合のいい世界など、作れるはずがないこともまた現実。
諦めずに努力したいと思いつつ、いずれは手が届かなくなることも現実なんだ。それどころかもうすでに、俺の知らないところで俺の血を引いた子達が命を落としてる可能性もある。
もうその段階に来てるんだ。
それを認めずにダダをこねれば、きっと俺は、この世界を滅茶苦茶にしてしまうだろう。
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