アリニドラニ村編 仕事
新暦〇〇三十二年七月五日。
俺は
それにアリニドラニ村は、俺達の集落を守るための<ダミー>の一つ。だから今の時点では人間がそこに住むかのように定着させるのはどうかなとも思ってるし。
その点、野生のままで勝手に住み着いてる形であれば、危険を察すればさっさと逃げるだろう。
が、もし、他にアリニドラニ村に<定住者>ができるようであれば、さらにアリニドラニ村を守るための<ダミーの集落>を増やすことになるな。
まあそれも、
そうして
トイレの使い方は彼は知らないが、ルプシアンの元々の習性として排泄は自分達の寝床から離れたところにするようだ。
人間の感覚だと面倒なように思えるそれも、彼らにしてみれば当たり前のことなんだろうな。
なので彼に任せる。
そして|斗真(とうま)は、アリニとドラニとドーベルマンMPM達が淡々と仕事をこなす様子を興味深そうに見ていた。
さらにしばらくすると、ドラニの後ろをついて歩くようになり、家を作る作業や、高炉での鉄作りの作業を熱心に。
まるで、<見習い>のように。
ワイバーン一型および二型による<定期便>が到着すると、村の外にある滑走路までドラニとドーベルマンMPMがリアカーを使って荷物の回収に向かうんだが、それにも
しかも、何度目かには、指示もしていないのに荷物の積み込みを手伝いだしたんだ。
もっとも、
なのに何度も繰り返すことで自分の行為の意味を理解していったのか、しまいにはドラニよりも先に荷物の積み込みを始めるまでに。
「こいつ、頭いいな……」
タブレットでその様子を見てた俺が思わず呟くと、
「そうね。確実に人間の子供が親の真似をしたがる時期のそれと同じだと思う。今の時点で少なく見積もっても五~六歳程度の知能はあるでしょうね」
シモーヌも感心したように解説してくれた。
これは、もしかするともしかするぞ……?
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