保編 昴
それが
『一対一の勝負は、どちらかが逃げ出すまで見守る』
という。
実はこの辺り、群れによっても違うようだ。群れによっては何人もの雄で一度に襲い掛かって袋叩きにすることもあるらしい。
そういう方式も、別に非難されることじゃないだろう。それを採用しているところではあくまで群れの内部でのみボス争いをしているだけで。
余所から来ていきなりボスに挑むのではなく、
『まずは群れに加わって下積みを経てボスに挑むのが筋』
って考えてる感じだろうか。
だから、いきなりボスに挑もうとしてる雄は、有力な群れの雄が見張りや哨戒に出て留守になっているタイミングを狙ったりもする。そういう駆け引きも込みで<ボスの資質>が問われるんだろうな。
が、今回の雄は、よほど腕に自信があるんだろう。実質的にはナンバー2とも言える
もしくは、何も考えてないか?
それがどちらにせよ、とにかく
「がああっ!」
歯を剥き出しにして威嚇する
その様子を、メイフェアのカメラが捉えていた。
彼女としては
それよりも、この騒ぎに乗じて他の外敵が近付いたりしないかを監視している。
そんな中、
もちろんそれも、基礎的なフィジカルの強さがあってのことなので、この先、さらに肉体的に劣ってくれば、<技>そのもののキレも落ちてくるだろう。そうなればいよいよボスの座を譲る時期ということになるだろうな。
と、それは余談として、飛び掛かってきた
これは……相当な強敵だぞ。
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