明編 誕生
もちろん、パパニアンの姿で生まれていたとしても俺にとっては可愛い孫だからそのまま受け入れるつもりだったが。
「お疲れ様。よく頑張ったな」
シモーヌと一緒に
「ありがとう。お父さんとシモーヌのおかげだよ」
そんな風に返してくれて、俺も照れくさくなる。そして、
「聞いてたほどは大変じゃなかったけど、それでもきついね」
と続けて言った彼女には、
「俺は男だから今のままじゃそれを経験することはないし実感はできないが、尊敬するよ」
正直な気持ちを告げさせてもらう。
するとシモーヌが、
「私は、記憶だけなら
と。
<瑠衣>というのは、<オリジナルの秋嶋シモーヌ>が、例の不定形生物内で生んだ娘のことだ。ここにいるシモーヌも、その時の記憶は引き継いでいるから、記憶の上では一児の母でもある。
俺の<群れ>に加わってからも
「先輩お母さんのシモーヌもいるし、セシリア達もいるから、子育てのことは何も心配要らない。と言うか、
そうだ。
こうして、俺の<群れ>にまた子供が増えた。外見上は三歳くらいに見える
丁度、三姉弟って感じか。パパニアンばかりになったのは、どうしても一番人間に近いから馴染みやすいということかもな。
特に、
「で、名前はもう決めてるのか?」
俺が問い掛けると、
「
と応えた。その顔は、いよいよ母親そのものになってきた。以前のどこか冷淡な印象だったのがすっかり柔らかくなったんだ。
「
俺も、自分が満面の笑顔になっているのを感じていたのだった。
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