誉編 最終防衛ライン その2
『犠牲が出るかどうか』
正直、
無論、そんなことなどあって欲しくはないものの、想定しない訳にもいかない。
感情論の問題じゃないからな。
しかし、<感情(のようなもの)>を備えたメイフェアは当然、犠牲など出したくもないだろう。
「
と意気込んでいた。
実際、彼女なら守ってくれると思う。
俺は彼女が最大限能力を発揮できるようにしてやるだけだ。
で、肝心の
と言っても、ダメージを与えられているという意味ではなく、あくまで、
『気を引いて進攻を遅らせる』
程度ではあるが。
だが、戦闘力の差を考えれば、それで十分だ。真っ向からやり合えば一分ともたないだろう。
そしてそれが、俺にとっては光明でもあった。
さりとて、とにかく今は
なにしろ、密林に侵入した
ここまで追い込まれては、もう、俺としても感傷に浸ってる余裕もなかった。
『
それしか頭にない。
でなければ、今度は
そんな俺のことが分かっているのかいないのか、
あいつに
「来ます……」
エレクシアがやはり淡々とそう告げた。
だから俺も、
「やれ。
と、敢えて感情を込めずに命令した。
いや、正直、顔が強張ってそんな言い方しかできなかったというのもあるが。
「承知しました。マスター」
エレクシアは応え、メイフェアとイレーネを伴って走り出す。俺の目にはまだ捉えられない
『頼む…エレクシア…メイフェア…イレーネ……』
両手をがっしりと組み合わせ、俺は祈った。俺の家族を守ってくれることももちろんだが、彼女達も無事に帰ってきてくれることを願って。
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