誉編 接敵
「ぎあっ! ぎあっ!!」
仲間を逃がすべく、
『急げ! 急げ!!』
と言っているらしい。
しかし、
「マズイ……!」
ドローンのカメラが捉えているその映像を見ながら、俺は思わず声を上げてしまった。
すると、映像を送ってきていたドローンが
なのに……!
ガリッという音がした瞬間、映像が乱れ、途絶える。
メイトギアであるメイフェアに制御され、本来なら、人間では触れることも叶わない運動性を持つ偵察用ドローンをだ。さすがは密林最強生物の一つ。恐ろしい戦闘能力だ。加えて、これまで何度も見かけたことで慣れてしまっていたのかもしれない。
さらにドローンを接近させるものの、やはり止められない。そして、
「ぎっ!」
逃げ切れないと察した
「くそっ!」
俺も、次に起こるであろう事態に、思わず悪態が漏れる。有力な次のボス候補をこんな形で失うのは、あまりにも残念すぎる。
だが―――――
あの<技>だ。
正直、それは<まぐれ>だっただろう。一か八かが本当にたまたま上手くいっただけに過ぎない。しかも、一瞬、攻撃を逸らすことができただけで、
だがそのコンマ一秒が次の結末をもたらすこととなった。
体勢を立て直した
そしてその隙に、
この一瞬の判断が、生死を分ける。ここで戦おうとしていれば、再度体勢を立て直した
これこそがマンティアンと正面切って戦っても勝てる道理のないパパニアンのボスに求められる才覚だと言えるかもしれない。
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