だがこれで(俺が築いたハーレムについての話はお終いだ)
だから、
だが、そういう、いくつもの気持ちが複雑に絡み合ってしまうのも、人間というものなんだと思う。喜怒哀楽の感情が単純にそれぞれ一種類だけ表れるわけじゃないんだと思うんだ。
そんな風にして泣けない自分を情けなくも思いながら、でもそんな自分自身のことも受け止めなきゃなとも思ってる。
でないと、俺は、自分を責めすぎてしまうだろう。
そんなことをしてたらまた
それに、
いくつもの感情が自分の中で出鱈目に駆け回ってるのを実感しながら、俺は、
真新しい墓では、
こうして俺は、四人の<妻>を、見送ることができた。俺が関わったことで本来の生き方とはまるで違う生き方をすることになってしまった彼女達の生涯を最後まで見届けられたのは、本当に良かった。
彼女達の人生を、ある意味では『狂わせてしまった』のに、その張本人である俺がさっさと先にくたばって楽になってしまうなんて、許されないことじゃないかな。
なんて、それ自体が思い上がりかもしれないが。
だがこれで、俺が築いたハーレムについての話はお終いだ。
…
……
………
…なんて、そんなきれいに区切りがつくわけないよな。<人生>ってもんは。
自分の人生に区切りがつくのは、それこそ自分が死んだ時だ。それに、<ハーレム>ってのは、本来、女の子とかをはべらせることじゃない。生物学で言うそれは、<群れ>そのものを指す場合もあるそうだし。
ということは、俺が作り上げたこの<群れ>がある限りは、ハーレムは解消されないということだろうな。
もちろん、<言葉の意味>というもの自体がその時々の社会情勢や環境や動向によって変質していくから、どの時点での<意味>を厳格に適用するかでまったく変わってしまうのもあるし、あまり拘っても詮無いことでもあるだろうけどね。
そういう訳で、
まあ、俺のことだからこれまでと変わらないほどにがっつり首を突っ込んでしまう可能性も否めないが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます