残酷な結末(だがそういうものだろう)
突然の
『
と。
俺やシモーヌや
それがどうかは分からないものの、起こった事象だけを見れば
そして、
圧倒的に有利な位置取りをできていたものが、一瞬にして
こうなるともう、<数の暴力>の独壇場である。
しかしだからと言って
「ガァアアァァアーッッ!!」
と咆哮し、生きることを決して諦めたりしない。
その姿はまさに『鬼気迫る』というものだっただろうか。
それでも、再び自分に有利な位置取りをしようと木に掴まろうとする
さすがにそれらすべてを持ち上げて木に上ることまではできず、
「ガアッ! ガアアッッ!! ギャーッッ!!」
なおも諦めずに抵抗する
その残酷な光景に、人間は言葉を失うんだろうな。
「……」
「……」
俺もシモーヌも、言葉がなかった。
そういうものだと分かってはいても、これまでにも似たような光景は何度も見てきても、割り切ってはしまえなかった。
命が潰えていく瞬間を前にして。
「これが、本来の姿か……」
そんなことも呟いてしまう。
つくづく人間はもう自然には還れないんだなと、改めて実感させられてしまった。
自分の家族がこんな結末を迎えるなんて、想像もしたくない。
それがどんなに身勝手な想いであっても、な。
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