死生観について(改めて考える)
新暦〇〇二三年九月九日。
<死>が決して避けられないものであるならば、いっそそれも、<自身の状態の一つ>と捉えることはできないだろうか?
……無理だな。人間はそんな風に割り切れる生き物じゃない。
ただ、そう考えようとすることで少しでも自分を納得させようと努力をするだけならできるのかもしれないが。
それに、苦しんで泣き叫んで後悔の中で死んでいくような姿でなければ、まだしもというのもありそうな気はする。
だから、穏やかに眠るように息を引き取った
ただ、その分、
むしろこの世界で俺の家族の多くが無事でいることの方が奇跡みたいなものか。
本当ならもっと亡くなってるのが出てるのが普通なんだろうし。
こうやって穏やかに見送れてるんだから恵まれてるんだ。
と、思うことにしよう。
……でも、これについてはそれこそ堂々巡りだな。割り切れる筈もないし。
それでも考え続けるさ。
幸せな最期を迎える為に。やることはやったと思える最期を迎える為に。
俺がそんなことを考えてる間にも日々は過ぎていく。今日は俺とシモーヌとエレクシアのチーム
加えて、
「しかし、本当に来るたびに新しい生き物が見付かるな」
ある程度の大きさの動物についてはだいたい把握できたと思っているが、鳥やトカゲ的な小動物や昆虫は元々種類も多いし、植物に至ってはそれこそまったくキリがない。
「そうですね。なにしろ地球でさえ、いまだに一年に数種類の新種が発見されるそうですから、こんな未知の惑星ならそれこそ新種が見付からない日があるのがおかしいレベルでしょう」
シモーヌは学者らしく自分がそれを発見できる喜びにうっきうきで毎日が楽しくて仕方ないらしい。そもそもこうやって調査に出るまでもなく、家の周囲でもいまだに新しい生物が見付かるしな。
って…!
「!?」
その時、俺はハッとなって銃を構えた。視界の隅に捉えたものがあったからだ。
が、そんな俺よりはるかに速く、エレクシアが<それ>を撃退していた。
真っ黒な影が逃げ去っていくのが分かる。
「
と、俺は呟いていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます