例外中の例外(可能性だけはあったが)
人間に似ていながら、
そこまで聞いて、俺とシモーヌはハッとなった。
「まさか…?」
「いえ、でも、その可能性は十分にありました。今まで実例が確認されなかっただけです」
俺達が思い付いたこと。それを証明するように、<それ>は現れた。
自動小銃を構えた
「人間……じゃない。
可能性だけはあった。
「例外中の例外ですね……」
学者としての興味か、シモーヌも食い入るようにタブレットに見入ってる。タブレットを操作して、画像を拡大、少年の姿を大写しにした。
あどけなさが残り、決して垢抜けてはいないが凛々しいと言って問題ないであろう精悍な顔つき。枝葉の陰から僅かに覗く部分からだけでも分かるがっちりとした筋肉質な体。
「割と、カッコいいですね…」
思わず呟いたシモーヌに、俺も、
「確かに…」
とつい応えてしまっていた。
いやいや、そうじゃなくて……!
たぶん、自分達の縄張りに見慣れないものが入り込んできたから確認しに来た<斥候>と言ったところだろう。
自分達以外の<仲間>とも言える<若い男>の出現に、
だが、まさかの出逢いに俺も困惑せずにはいられなかったのだった。
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