徒花と消える(少し憐れでもある)
どれほど常識外れのスペックを持っていようとも、
それでも
腹からあふれ出た大量の血でぬかるんだ地面をのたうち回った
「……」
その光景に、シモーヌも言葉を失っていた。
元はと言えばコーネリアス号乗員である<クラレス>そのものだった人間部分の姿は、自らを守る為に新たに生やしたのであろう鱗に半分以上覆われ、もはやその面影はまるでなかったらしい。ここまでくればシモーヌも<それ>をクラレスだとは思えなかったのか、その名を口にすることはなかった。
明らかに力が尽きかけている
最後の足掻きで何とか二人を払い除けようとする
やがて、あれほど強大だった巨体から力の殆どが消え失せ、ビクビクと不規則な痙攣を始めた。断末魔だ。脳からのでたらめな信号に筋肉が意味のある動きをできなくなってしまっているのだろう。
そして
その後の光景は、まあ、自然ではごく当たり前の光景とはいえあまり詳細に描写するのは憚られるので割愛するが、大変に食い応えのある<獲物>を仕留められて、
「おおおおぉぉぉぉおおぉぉぉーっ!」
と、まさにライオンのそれを思わせる一声を上げると、しばらくして
で、それからはもう<宴の時間>という感じだっただろう。
不定形生物由来の生き物をそのまま食べて大丈夫なのだろうかと心配した時期もあったが、
こうして、草原に咲いた<
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