第2話 新たなスタート
俺が目を覚ましたのは、木で作られたベットの上だった。まず体を起こして周りを見渡してみると、部屋の中に物は殆どなく、視界に入るのは、すぐ横にある窓と、その反対方向にある扉だけだった。
「ガチャリ!!」
扉の開く音が聞こえた。音の方を見てみると一人の女性が入ってきた。
「おはよう。ケンちゃんは今日も元気ね」
その女性は、俺に向かって話しかけてきた。その言葉を聞き俺は、この人が今の母親である事に気づいた。その後母さんは朝ご飯の準備をするのだと言い部屋から出て下へ降りて行った。俺は、母さんが部屋を出て行くのを確認し、今の自分のステータス確認をおこなった。
俺は、神様に教えてもらった通りに頭の中でステータスオープンと、唱えると、
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ケンイチ/5 魔法
HP:F 回復魔法:F
P :F 特殊魔法
DF:F
SP:F
M :F
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ステータスが表示された。見方については、神様に聞いていた。まず、一番最初が自分の今の名前とその横の数字が年齢になっている。その下は、今の現状の能力値である。一番上のHPは体力、Pはパワー、DFはディフェンス、SPはスピード、Mは魔力を表している。そして能力値と魔法には例外はある物の全てにランクが付いていて一番下がFで一番上がSSである。能力値の横に、自分が使える魔法が表示されている。
ステータスの確認が終わった俺は、最後に神様に言われていた特殊魔法の一つ異空間収納の魔法を使い貰った剣があることを確認した。異空間収納以外にも特殊魔法には色々使えそうな物があったが確認は今度にやろうと思った。
確認作業が終わった俺は、ベットの端に置かれていた服に着替えていると、部屋の扉を勢いよく開けて母さんが入ってきた。
「朝ご飯の準備出来ましたよって、どうしたのケンちゃん。いつもはお母さんがお着替え手伝っているのに今日は一人でなんて!!」
母さんはすごく驚いた声で言ってきた。この反応からするにいつもは着替えを手伝ってもらっていたらしい。昨日まで一人で出来なかった着替えをいきなり出来るようになったら誰だってびっくりするよなと、思った。
俺は出来るだけ子供らしく説明して納得してもらった。
その後、母さんの後ろに続き一階へ降りて朝食を摂った。朝食を食べ終わった俺は、家の中を探索した後自分の部屋に戻り、特殊魔法の確認を行った。
確認が一段落付いたとき、下の階から
「ケンちゃん。父さんも帰ってきたことですし、昼食にしましょ」
いつの間にか、昼食の時間になっていたようだ。部屋を出て下に降りると、先に食卓の椅子に座っている父さんがいた。母さんは俺のそばに寄ってきて、
「パパ見て、今日なんとケンちゃんが一人でお着替えでたんだよ」
母さんは、すごくうれしそうな声で言った。それを聞いた父は、少し涙目になりながらも、
「そうかそうか。成長したな我が息子よ」
などと言いながら、すごく喜んでくれた。俺は、着替え位で大げさなと思っていた。
俺は、父さんの向かい側に座り、何処に行っていたのかと聞くと、冒険者の仕事に行っていたと答えてくれた。父さんは冒険者の中でも数少ないAランクらしく、村の近くに現れたモンスターを狩る依頼に行っていたが、仕事の方も午前中で一段落して帰ってきたらしい。
父さんと俺が話しをしている間に、昼食が出来上がったらしく、母さんが食卓に料理を並べ始めた。
「ケンちゃん、パパと何の話をしてたの?」
俺と父さんが何の話をしていたのか気になっていたらしく聞いてきた。父さんは、ただ自分の話をしてただけだと答えた。
料理を並べ終わると、母さんも食卓の椅子に座り、昼食を食べ始めた。
それから、母さんを入れて三人で今回の父さんの仕事の話で盛り上がった。俺は、その話を聞きながら特殊魔法の一つステータスチェックの魔法を使い両親のステータスを確認してみた。
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ゴルド/30 魔法
HP:B 水魔法:B
P :A 土魔法:A
DF:A
SP:B
M :B
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まず最初は父さんのステータスを確認した。さすがにAランク冒険者をやっているだけあって全ての能力値がB以上で一部Aランクのステータスも混じっている。魔法も二種類持っていて両方ともにBランク以上であった。全体的に見ても高い方だと思うが平気がどれくらいか知らないため分からない。
次に母のステータスを確認した。
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セルルカ/28 魔法
HP:B 火魔法:B
P :C 雷魔法:C
DF:B 風魔法:C
SP:B
M :B
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母さんもかなり高い方だと思う。全体的にBランクが多いことと魔法も三種類も使えるみたいだ。もしかすると、母さんも昔冒険者をやっていたのかなと思った。
そんなことを考えている間に父さんの話も一段落していた。
俺は、昼食を食べ終わると、両親に庭で遊んでくると言い外に出た。外に出た俺は、手ごろな木の枝を見つけて手に取った。
俺は、その木を使い今の自分の体がどれだけ動くか確認しようと数回ほど素振りをしてみた。思っていたよりは動くと思うが、俺からしたらぜんぜんだと思った。そのとき、後ろから急に声をかけられた。びっくりした俺は、手に持っていた木の枝でその相手に叩きかかった。俺が、叩こうと振り向いた瞬間相手の顔が見えて正体に気づく事ができた。そのおかげで、ギリギリの所で攻撃を止めることが出来た。
「急に声をかけたのは、俺が悪かった。だがいきなり木の枝で叩こうとするなよ」
父さんは少し驚いたのか、ちょっと焦った感じで言ってきた。
「まあそれはいいとしてだ。そこの窓から見ていたがなかなか言い素振りをしているな。さすが俺の息子だ」
そうなのか? 俺からしてみればぜんぜんだったんだけど。などと考えていると、
「もし剣に興味あるなら、父さんが稽古をつけてやってもいいぞ」
父さんは、剣に興味がある俺を見てすごくうれしそうに言ってきた。
俺は、この世界の人の実力を肌で感じることが出来るチャンスだと父さんからの稽古を受けることにした。
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