天道くんと夏目くん〜二人の青春してるような、してないような穏やな生活〜
沖田
プロローグ
夏って言ったらみんなは何を思い浮かべるだろう。唐突に浮かんだのはある一人の男の子、田舎の小さな中学に転校してきた可愛い可愛い天使のようなヘーゼルの瞳の天使だ。
夏目はまた隣の席の天使くんをじーっと見つめ微動だにしない。周りのクラスメイトはそんな様子に違和感がないまでに慣れきってしまった。天道天使13歳正真正銘の男である。この男の子か転校してかれこれ二週間が過ぎ去ったが、ずっと一言も話しかけずにくる様子を見せない夏目に天使はおどおどとこれまた怯えていた。
「なあ、……お前ってさ……悪魔か?」
「えっちちがいます。天使です。天道天使です。」
え、なんで今頃になって名前聞くんだ?もしかして、正体がバレたとかじゃ無いだろうな。そしたらどうしてバレたんだ。いやいやいやいや、そんなばれたとかわかったわけじゃな……
「うちのばーちゃんに聞いた。俺天使、よろっ!!」
「ふぇ!!天使って何言ってんですか。」
「あっおいおいっ、声がでかいぞ」
「あっすっすみません」
穏やかに過ごせますようにと、常日頃神頼みしている天使こと、天道天使はなにぶん性格が優しく穏やかだ。すぐ肩を窄めて一言目にはすみませんと謝ってしまう気の弱き男の子である。反対にこの無神経なツンツン頭こと夏目快斗は豪胆で物怖じしない性格で素直なのはいいが、素直すぎるのがたまに傷なやつ。まあ、根はいいやつではある。根は。
「俺さ天使なんだ。それでなぁー、俺のばーちゃんが今度悪魔がやってくるって大騒ぎしてさあー大変だったんだよって聞いてるか?おいっ天使っ!」
……!!天道は微動だにせずに固まっている。と思ったら夏目の振りかぶった手が背中を直撃する。
「グッ、なななななっ何するんですか」
「まあよろしくな天使」
にこりと万人受けするであろうなつこい顔で夏目が笑った。
これが2人の出会いである。
2人の心情は、どうだろう?
夏目は、こいつ可愛いな。
天道は、苦手なタイプだ怖いよ〜。
見事に違っている。
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