第263話 悪鬼神阿修羅
魔王イリスとの会談は、エキドナが言ってた通り問題なく終了した。
勇者討伐は断固お断りした。
その後、無事俺達は気功士王国に戻った。
帝国と魔王国の戦争はまだ継続中だった。帝国は魔王国の猛攻に何とか王城を死守している様だが、長くは持たないだろう。
帝国からはひっきりなしに救援依頼が来たが、当然無視する。
魔王国と提携する事になったしね。
と言うか、魔王イリスとエキドナがちょくちょく遊びに来るんだけど。
困ってるんだよね。
魔王国は大丈夫なのか?
勇者が暴れてるんじゃ無いの?
聞くとやぶ蛇になるので聞かんけど!
「勇者はまだまだ魔王城には来ないのだ。今こんな感じなのだ」
勇者の暴れっぷりを、魔道具で見せてくるんだよ。
「勇者討伐は、しないよ」
「お願いなのだ。勇者は魔王に特効があって、魔王は勝てないのだ。我が死ぬと次の魔王が現れるぞ」
「まあ、それは分かるんだが、勇者を倒す手が全く思いつかんのだ」
毎回見せられる魔王国での勇者の暴れっぷりを見てると、倒してやりたい気にはなるんだけどね。
あいつら無茶苦茶だ。
罪も無い亜人やモンスター達を、情け容赦なく撫で斬りにしていき、食料や消耗品を奪い放題だ。
魔王国からすると、明らかに勇者は悪だ。
「ショータはガルダムが召喚した、最強で最凶の悪鬼王アスラを
「ん? 何で知ってる」
「ふふふ、我に知らないものはないのだ」
「嘘つけ。勇者を倒す方法を知らん癖に」
「それはそれなのだ」
「で? だからどうした」
「つまり、ダンジョンポイントが潤沢になって、アスラの魂を保持してるはずなのだ。と言うことは・・・」
「はぁ、そうだよ。アスラは俺もダンジョン機能で召喚出来る。と言うか、もう既に召喚している」
「おお!やっぱり。しかも召喚済みだったか!アスラなら勇者を殺せると思うのだ」
パチンッ!!
俺が指を鳴らすと、
「んおっ!」
魔王イリスでさえもたじろぐ実力。
「ショータ様、お呼びでしょうか?」
「彼女は魔王イリスだ。彼女に紹介する為に呼んだ」
「悪鬼神阿修羅と申します」
「ふぇ、わ、我は魔王イリスなのだ。宜しくなのだ」
「問題は勇者の第六感系のスキルなんだ」
「ん~。どう言う事なのだ」
「勇者と聖女は第六感系のスキルを持っている。それは、自分の危機を察知し、危機を躱す事が出来る。だから実力的には、俺もアスラも勇者を倒す能力はあるが、実際に倒す事は難しいんだよ」
「では、どうすれば良いのだ」
「それが分からんから、討伐をしないんでしょうがぁ」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
宣伝です。すいません。
新作投稿しました。
6/11 0:00に
第1話をスタートしました。
こちらもご愛読いただけたら嬉しいです。
タイトルは、
『邪悪な勇者と神槍の英雄~虐げられた普通の槍兵が成り上がり「ざまぁ」する~』
URLは
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898248060
です。
宜しくお願い致します
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