第245話 魔王軍四天王ルーデル
魔都グロガに魔王軍四天王のエキドナが現れ、勇者パーティーを襲撃した。
聖剣を手に勇者リクトがエキドナを凝視している。
「おお!可愛いぃ!いいねいいねぇ。敵を仲間にするパターンも有りだな。なあ、あんたの名前を教えろ!」
エキドナは不機嫌な顔になる。
「む、魔王軍四天王のエキドナだ」
リクトはニヤリと笑い。
「ほう、四天王か。俺の仲間になりな。悪いようにはしないぜぇ!」
エキドナは怒りを堪えながら、吐き捨てる様に言った。
「馬鹿か。魔王四天王が勇者の仲間になるわけがなかろう」
リクトは変な納得をしている。
「これは、瀕死にしてテイムするパターンか? それも有りだなぁ」
エキドナは怒りを堪えきれず、魔力を暴発させる。
「無駄口叩くなぁ!」
一気に拡散された魔力が街を浸食する。
濃厚な魔力は意思を持った触手の様に、勇者パーティーを襲う。
「おっと、やるなぁ!」
ドガッ!!
リクトは魔力の触手を躱すと、触手はリクトの背後にあった建物に突き刺さる。
ガガガガガ……。
勇者パーティーがそれぞれ躱した、魔力の触手は建物を破壊しながら、勇者パーティーを追尾する。
「どれ、ちょっと御免よぉ!」
勇者リクトは跳躍し、エキドナに向かって聖剣を下から上に斬り掛かる。
最低限の動作で紙一重に横に躱したエキドナは、身体を前方転回させると、勇者リクトの上から蛇の尻尾を振り降ろす。
「ちぃ」
空中で躱す事が出来ない勇者リクトは、聖剣を盾にして、咄嗟に受け止めるが、勢いは殺せず弾き飛ばされた。
ドガッ!!
瓦礫と化した建物跡に突っ込む勇者リクト。瓦礫の中から這い上がる。
「くっそー、なかなかやるなぁ」
聖女ミクの回復魔法が勇者リクトに飛んできた、勇者リクトは淡く光ると擦り傷などが一瞬で回復する。
「お!ミク、有難う」
「街の一画が酷い事になっちゃったわ、場所を移動しましょうか」
勇者リクトは周りを見回すと、崩壊し瓦礫と化した街並みが見える。
そして、魔獣達と戦う仲間。仲間の攻撃と魔獣達の攻撃が、街を破壊している。
突然上空に巨大な魔方陣が浮かび上がり、黒い幕が辺りを包み、半円状に覆われた。
「む、何かに閉じ込められたか?」
「そうね。何かしら?」
エキドナとは別の方向に邪悪な魔力を感知し振り向く。
「貴様らぁああああ!儂の街に何してくれとんのじゃああああ!」
老齢の男が宙に浮いていた。
黒と赤を基調とした貴族服を着た男の背中には2対4枚の蝙蝠の翼が広がる。長い黒髪に赤い眼、頭には羊の角が2本。
「ルーデル!手伝え、勇者を倒すのだ!」
エキドナがルーデルに話し掛けた。
「エキドナ!儂の街を壊しやがって、ただで済むと思うなよぉおおおお!」
「いやいや、勇者を倒す必要があったのだよ。文句はここで暴れてた勇者に言うのだ。なぁ」
「煩い!勇者もエキドナもぶっ殺す!出て来い野郎共おおおおおお!」
怒りが収まらぬルーデルは、右の人差し指と中指を揃えて、下から上に動かすと、ルーデルの下からの地面に魔方陣が浮き出てきて、その中からトロルの兵士とグリフォンの群れが這い上がって来た。
「ぶっ殺せえええええええ!」
三つ巴の戦いが始まった。
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