第229話 ロヤスゲ辺境伯に復讐した
『剣神』ヤマトは目を閉じた。
『賢者』ツバサは愛杖カドゥケイスを構え魔力探知を強める。
『聖騎士』カイトは愛盾アキレウスを持ち、不安そうに扉の前で身構える。
「「そこだぁ!」」
ヤマトとツバサが同時に叫ぶ。
ズシャッ!
ヤマトの居合い斬りが横薙ぎに一閃。
ビシュッ!
同時にツバサのカドゥケイスが光線を放つ。
カイトの右横の空間から血が流れだし、流れた血は赤く
「
カイトが呟く。
「ん?いつの間にか辺境伯の魔力が感じられなくなっているぞ。誰も通していないよな?」
ツバサがカイトに訊ねる。
「勿論、誰も通していない!」
カイトは折檻部屋の扉を開けようとする。
ガチャガチャ。
「開かないな」
ドンドンドン!!!
「ロヤスゲ閣下!」
カイトが大声で叫ぶが返事は無い。
「御免!」
バシュッ!
ヤマトが折檻部屋の扉を斬り壊した。
ドコッ、バタンバタン!
折檻部屋の中は、何も無い部屋に替わっていた。
「な、何があったんだ?」
驚くカイト。
無言で眉をしかめるツバサとヤマト。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ペロがイブキを倒した直後に戻る。
居城の城壁の前で待つ俺の影から、ペロが現れた。
「探索者を始末したにゃ」
「有り難うペロ」
「にゃ」
俺の横にはエルフのエリとハーピーのハルカが立っている。
「さあ、復讐の始まりだ」
俺は城壁に手の平を当てて、居城をダンジョンにした。
ほんの微かな振動。
そして今いる場所の地下に、復讐の為の空間を作成し、ロヤスゲ辺境伯の折檻部屋を、その空間にそのまま転移させた。
ロヤスゲは気付いていない様だ。
俺達はロヤスゲの元に転移した。
本当に下劣な男っているんだなぁ。
気持ち悪くなってきた。吐きそうだ。
生かしておいちゃいけないと思うゲス野郎だ。
涙が出て来そうだ。
阿鼻叫喚の部屋。
四肢の1部を欠損した女性の奴隷が嘆き叫ぶ、嬌声、悲鳴、すすり泣く声が入り混じる。
「げひひ、どうだ!ぐひひ」
裸になった豚の様な男が卑猥な言葉を叫ぶ。
俺達が部屋に現れた事すら気付かず熱中している。
エリが矢を放った。
ブシュッ!!!
ロヤスゲの性玩具をもつ右手に突き刺さる。
「グぎゃぁ!」
刺さった矢を見るロヤスゲ。
「イタイイタイ。誰だ!くそっ」
振り返るロヤスゲ。
「妾を覚えているかのぅ」
エリが怒りを込めた低音でロヤスゲに問う。
「ぐひぃ、だ、誰だ!何故許可無くこの部屋に入ったぁああああ!」
痛みを堪え大声を出すロヤスゲ。
エリがロヤスゲと会話してる隙に、俺はペロに小声でお願いし、女性の奴隷を一箇所に集めて貰った。
そして気功で回復させる。
浅い傷を全て治療したが、欠損まではこの場で回復させる事は難しかった。
「覚えておらんのじゃな。まあ覚えていられても気持ち悪いがのぅ」
「貴様ぁ!ただでは置かんぞぉ。ぐひひ、折檻だぁ。げひひ」
「あぁ、気持ち悪いのじゃ。取り敢えず動くな!」
エリは4本の矢を放ち、ロヤスゲの両手両足を床に括り付ける。
「げひぃ。痛い痛い」
「お主はじっくりと、妾が地獄の苦しみを味あわせてやるのじゃ」
エリはロヤスゲの胯間に矢を放った。
「いぎゃあああああ!」
「ショータ様、後は妾1人で処刑するのじゃ、彼女達を保護して休ませてくれんかのう」
「夜に迎えに来るよ」
「バズがいるから帰れるのじゃ。心配は要らないのじゃ」
「分かった」
ロヤスゲの悲鳴が聞こえる中、俺達は居城のダンジョン化を解除し、エリとロヤスゲを置いて、奴隷の女性達を連れて気功士王国に戻った。
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