第211話 暗殺計画
俺達気功士兵団はフロスト砦の一画に滞在する事になり、取り敢えずは、砦までの移動による疲れを癒やす事にする。
俺はケット・シーのペロとエルフのエリに、気功士兵団が案内された滞在するエリアに仕掛けがないか調べて貰った。
「ショータ、盗聴や罠の仕掛けは無かったにゃ」
ペロが俺の陰に戻って来た。
「お疲れペロ、帝国は案外誠実なんだな」
そこにエリも帰って来た。
「まあ、到着早々問題を起こしたのじゃ。更に揉めるのを回避したいのじゃろう」
「それもそうか」
俺がいる部屋は兵士用の4人部屋だ。
俺とエリとハーピーのハルカと雪女のユキが、いる事になっている。
実質はペロと魔神パズズのバズもいるのだが、ペロは影に潜みバズは風になっているので、場所はとらない。
ついでにユキも冷気になるので場所は取らず、人数による圧迫感は感じない。
そして、俺は気功士兵団に与えられた滞在エリアをダンジョン化した。
これで何らかの介入があれば何時でも気が付く。
そこにキャルが入室して来た。
「ショータ様、お疲れ様でした」
「キャルもお疲れ、交渉バッチリだったね。計画以上の状況を勝ち取り、成果は120%だね。ご苦労様」
「いえいえ、必死でした。良い結果になって良かったです」
「さて、計画の再確認と今後の動きについて話そう」
「はい」
「目的はエリの仇である勇者と聖女を除く勇者パーティーのメンバーの抹殺だ」
エリがうんうん頷き、決意の表情になる。
「有難う、いよいよじゃな」
「具体的なターゲットは、魔法使いナナミ、剣士カツエー、魔法戦士ドーセツの3人だ」
「はい」皆頷く。
「現時点で出来れば、勇者と聖女とは戦いたく無いので、気付かれ無い様にしたいが、彼らの第六感系のスキルが厄介だ」
目の前のコップに入った水を飲み、1度区切る。
「そこで、魔王軍と勇者パーティーが戦闘している間に、砦全体をダンジョン化して、戦いが終わりホッとして戻って来た時に、ダンジョン機能でターゲットのみ転移させて分断し抹殺する。そこまでは良いかい?」
「はい」と皆。
「キャルが、突然襲撃された事を逆手に取り、有利に交渉を進めてくれたので、帝国と魔王軍が戦っている時に気功士兵団は砦にいる状況が作れた。キャル、有難う」
「いえいえ、頑張りました」
「後はもう1人、エリの仇であるこの領地の領主である辺境伯についての、動向も把握しておきたい」
一息おく。
「辺境伯にはペロがついてくれ、無いとは思うが、魔王軍と戦闘中に砦に辺境伯がいれば、一緒に抹殺する」
「分かったにゃ」
「勇者パーティーにはバズとユキに頼む。勇者と聖女の2人は、絶対注意だ、探ろうとしない事」
「承知シタ」
「承知しんした」
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