第195話 ライル王国軍を殲滅
1万人のライル王国軍が、野営しているのをジッと見詰める俺達。
「そろそろ深夜にゃ」
ケット・シーのペロが俺の横で、ライル王国軍の野営を見ながら囁く。
「俺が先行してダンジョン化したら来てくれ」
「了解にゃ」とペロ。
「承知したのじゃ」
とエルフのエリ。
「分かったよー」
とハーピーのハルカ。
「承知しんした」
と雪女のユキ。
「畏まりました」
とヴァンパイアワイズマンのヨシゾー。
俺は気配を消して野営地に近付く。
そして、野営地全体をダンジョン化した。
サーキ王国軍と戦った時は、魔神パズズのバズが風の結界を出して逃走防止を行ったが、今回はダンジョン壁で周りを囲んだ。
ズズズズズ!
5mの土の壁が野営地全体を囲み突然出現した。
「な、何だ!こりゃああああ」
「壁が現れたぞおおお」
驚き戸惑うライル王国軍。
ヴァンパイア隊が予め、周りに散開し偵察に出ていたライル王国軍の兵士を倒している。
他国の密偵達も全て始末している。
闇の眷属ヴァンパイア、しかも上位種族のヴァンパイアナイト達に掛かれば、人族の密偵達は相手にならないのだ。
ペロやエリ、ハルカ、ユキ達が俺の横に駆け付けた。
「行くにゃ」
「行こう」
俺はエリ達とヴァンパイア隊を、ダンジョン壁内部にダンジョンの機能で転移させた。
同時にスケルトンナイト達を、野営地に疎らに召喚した。
ドシュ!ブシュッ!
ヴァンパイア達の剣が煌めき、起きて見張りをしていた兵士達は、あっと言う間に殲滅される。
「ぎゃああああああ!」
「敵だああああ!」
悲鳴で起きた兵士達がテントから顔を出す。
「何があった?」
スケルトンナイトがその兵士の首を斬り落とす。
ズシャッ!!
「ぐふっ」
ドサッ!
あちらこちらで殺戮が始まった。
ヴァンパイアナイトもスケルトンナイトも高位に属するモンスターである。
しかも全身鎧を装備し、兵士用の剣を装備しているので、寝起きで装備も不十分なライル王国の兵士達では、相手にもならない。
「ぎゃああああああ!」
「ひぃ、助けてええええ!」
逃げ惑う兵士達は確実に殺されていく。
ダンジョン壁により逃走出来ない事を認識した兵士達が、壁を背に怯える。
「ああああああ」
「何でこんなところに壁があああ」
中には剣や槍で壁を壊そうと試みるが、壁は固く壊す事は出来ない。
俺はダンジョンのマップ機能で、ライル王国の兵士の生き残りを確認すると、敵を示す赤い光点が次々と消えて行くのが分かる。
赤い光点は壁に沿って光っていた。
「壁際に集まってるな」
「妾が行って来るのじゃ」
エリがバズに乗って飛び上がる。
「僕も行くね」
ハルカもエリと反対方向に飛び立つ。
「ワチキも行きんす」
ユキも壁際に向かった。
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