第111話 ロウガを倒した。
「良く聞け、俺達を殺すと獣人国は滅びるぞ! 何も言わず見逃せ」
瀕死の状態で制圧された、狼獣人のロウガが俺を睨む。
「獣人国がどうなろうと知らんな」
俺は冷たく突き放す。
「今の国王の命は風前の灯火。王位継承予定の長男の王子は愚鈍だ。このまま王位継承されれば、獣人国には悲惨な未来しかない」
「だから、どうした?」
「俺は『破滅の旅団』の幹部だ。俺達『殲滅の旅団』が中心となって、次男のシシオ様に王位継承させるのだ。そうしないと獣人国の民は不幸になる。俺達を解放しろ!」
必死に説得しようとするロウガ。
「断る。獣人国がどうなろうと関係ない。俺達は俺達に敵対した奴等は許さん。お前等の様な極悪非道な奴等が政権に関与する方が、国民に取って不幸だろう。それから、そんな活動しようとしてる者が、こんな事やってちゃダメだろう」
「獣人国が滅びても良いのか!」
「うるさい!獣人国が滅びても俺達には何の損も無い。それにお前が死んでも何も影響は無い。もう黙れ!」
ロウガの顔面を掴んだ手に気を込める。
「んぐっ・・・」
俺はロウガの息の根を止めた。
次はロウガのパーティーか。
ロウガの仲間達に振り向こうとした時、4発の銃声が聞こえた。
ダルアが4人の冒険者を射殺していた。そして銃を構えたまま固まっていた。
俺はダルアが両手で構えていた銃を、静かに降ろした。
そして無言でダルアの肩を叩く。
残るはホクシンと猿獣人。
ホクシンはぶつぶつ独り言を呟き、這いずりながら逃げようとしていた。
「ドラゴンや化け物達、こんな奴等に勝てる訳が無い・・・」
俺はホクシンの後頭部に魔弾を放つ。
頭が吹き飛び、動かなくなったホクシンの・・・遺体。
猿獣人は俺を見詰めている。
「イワンテにいた魔抜けはお前か?」
「質問出来る立場だと思っているのか?」
「・・・」
口を
「闇ギルドの情報を教えて貰おうか」
俺はニヤッと笑う。
「ペラペラ喋ると思っているのか?」
「喋らないなら、痛みながら死ぬだけだ」
「・・・」
「先ずは役職と名前を教えて貰おうか」
「・・・」
猿獣人は口を結び不適な眼をした。
エルフのエリが俺の前に歩いて来た。
「主様、荒事は苦手じゃろう。妾が替わろう」
「確かに拷問はしたこと無いからね。直ぐ口を割るチンピラなら、威圧だけで喋るんだけど。流石闇ギルドの上位の奴だと厄介だ。任せるよ」
「うむ。任せて貰うのじゃ。此奴の情報と闇ギルドの計画。主様達について何処まで情報を握っているか、聞ければ良いのじゃろ」
「流石エリ、そこまで聞ければ最高だ」
「承知したのじゃ。主様達はキャルを連れて先に帰って良いのじゃ」
「有難う。キャルも心配だから先に帰るよ」
キャルは拘束されていた紐を解かれ、ダルアが抱きしめていた。
気絶したのか、安心して寝てしまったのか、目を閉じていた。
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