第109話 キャル解放
狼獣人のロウガと狸獣人のポンタ、ケット・シーのホクシン、闇ギルドの猿獣人は、人質のキャルを引き摺って古城の入口に移動し、エルフのエリ達を待ち受ける。
俺と黒猫のケット・シーのペロ、魔神パズズのバズ、雪女のユキも身を隠しながら後を追う。
「ユキとバズは、周りを取り囲んでいる奴等を任せた。見つからない様に倒してくれ」
「了解シタ」
「承知しんした」
ユキとバズは左右に分かれて移動した。
古城入口にエリ達が到着した。
エルフの『疾風』エリを先頭にハーピーの『風刃』ハルカとダークエルフのダルアの3人が、堂々と歩いて来た。
ドラゴンのドラムは、小さい蜥蜴のサイズでダルアの肩に乗る。
子猫サイズのライヤは、遠目に見るとアライグマの様だ。
空狐のクーコはエリの足元を歩く。
「明日の夜と言ったのに、随分早いじゃないか?」
ロウガが口火を切る。
「明日の夜までなど、とても待てないのじゃ。キャルに何をされるか分からん。早く解放してくんかのぅ」
エリが答える。
「ショータは何故来ない!」
ホクシンが叫ぶ。
「キャルを早く解放して欲しいので、ショータが帰って来る前に急いで来たからじゃ。キャルはどうすれば解放してくれるのかのぅ?」
「ショータが来るまで、お前等も人質になって貰おう」
「お断りじゃ。人質を解放して貰わぬのに
「
ホクシンはキャルの肩口を掴むと、目の前に引き倒した。
そして右足をキャルの背中にのせて、踵でグリグリと踏み締める。
「むぐうううう!」
キャルは猿轡で口を塞がれて、悲鳴をあげられず呻く。
これは、もう我慢出来ない。
ダルアも拳を握り締めて限界の様だ。
俺は気を纏い、キャルの背中を踏み付けているホクシンの右足を蹴飛ばした。
体重を掛けてキャルの背中踏み付けていたホクシンは勢い良く転倒した。
「痛っ。な、何事だ!」
俺は素早くキャルを縛る紐を断ち切り、猿轡を外してホクシンを睨む。
「ショータだ。久しぶりだな」
「ショータああああ!」
俺を睨み叫び、剣を握り締めて立ち上がろうとするホクシン。
しかし、俺の蹴りで右足は骨折した様で立ち上がれない。
「く、くそおおおお」
「さあ、皆!キャルは解放した全力で殲滅だ!」
俺の号令で仲間達が行動を開始する。
ポンタは後ろに下がり、周りに向かって叫ぶ。
「全員で掛かれ!」
周りを囲んでいた者達が一斉に駆け込んでくる。
しかし、様子がおかしい。
「た、助けてくれえええ」
何者かに追われて、武器も棄てて怯えて逃げてきた。
その後ろから現れる魔神パズズのバズと雪女のユキ。
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