第34話 サテュロスを倒した

迷宮『猫の穴』を攻略中だ。

地下30階のボス部屋の前にいる。


気配探知でボス部屋の中を確認した。

「サテュロスが6匹いる。

1匹はサテュロスリーダーだね。」


エリ曰く。

「サテュロスの素材は斧、笛、角じゃな。」


ハルカ曰く。

「下半身は食べられるけど、不味いよ。僕は食べたく無いな。」


サテュロス。

上半身は人間。下半身が驢馬ロバ

頭に羊の巻き角。

ひげが濃い。黒い口髭くちひげ顎髭あごひげ

上半身は裸。筋肉質で毛深い。

下半身の茶色い驢馬の足は2本。

笛と斧を持っている。

笛の音は睡眠の効果がある。

笛で眠らせて斧で敵を倒す。


「行くよ!」


ボスの間の扉を開けると直ぐに6発の指弾を放つ。指弾はサテュロス達の額に寸分の狂いもなく命中。


「おや、リーダーだけ死んで無いね。」


サテュロスリーダーは額から血を流しながら立ち上がった。


しかしペロがサテュロスリーダーの影から後ろに現れ闇の触手で拘束する。

と同時に矢が胸に突き刺さり、風の刃が首を切断した。


「やっと妾の弓の威力を発揮出来たのじゃ。」

エリは満足そうだ。


「僕も風の刃をやっと使えたよ。」

ハルカも笑ってる。


「今まではショータの指弾で瞬殺だったからにゃ。」


「下の階にいけば厭でも活躍し貰うよ。さて、ペロに死骸も回収して貰ったので、先に進もう。地下31階で休憩しよう。」


ボス部屋の階段から31階に降りると、俺の気配探知で近くに魔物が居ないことを確認し、地図を見て空き部屋に向かった。


空き部屋に着くと、野営と夕食の準備をする。マジックバッグから野営用のテントを出し、エリに設営して貰う。


「僕が夕飯を作るよ。」

ハルカは食いしん坊だが、料理も得意らしい。


「アタシは夕飯は鳥肉がいいにゃ。」

「まだ、解体してないステュムパリデスがいっぱいあるからね。」


「ステュムパリデス!おおっ!妾も食べたいのじゃ。」

「僕も大好き!久しぶりだ。」


全員一致でステュムパリデスの肉を食べる事になった。


野営の食事は鍋だ。

俺の中では定番メニュー。


材料を切って鍋に入れて鍋を囲んで皆で食べる。親睦も深まり連携もよくなるはずだ。


森で狩猟生活をしてた時にステュムパリデスのガラでスープを大量に作っていたので、鳥塩鍋だな。


この世界で醤油や味噌の大豆の調味料は、まだ見たことが無い。

従って、何でもべースは塩だ。


後で醤油と味噌が無いかニャルマル商会のシャルさんに聞いて見よう。

米も食べたいな。


ハルカに鍋にする事を告げて材料を渡す。


ハルカはステュムパリデスを解体して、肉を切り出し、モモ肉をぶつ切りにした。

その後、白菜とその他異世界野菜をざく切り。


料理が得意だけあって手際も良い。


水、ガラスープ、白ワイン、塩を鍋に入れてひと煮立ちさせ、鳥肉を入れて野菜、キノコを入れた。


ハルカが味見をして鳥塩鍋完成。


ハルカに言われて、日本酒の代わりに、白ワインを使った。


ペロは食べた事があり大好物なので大喜び。俺が作った鍋より美味かったらしい。エリも大絶賛の鍋でした。


鍋を薪の火にかけたけど、野営用に携帯コンロの魔道具があると良いかもね。


これもシャルさんに相談だ。


エリは魔道具の作成が出来るとのことだったので、構想を話して携帯コンロ魔道具を作って貰う事にした。


火魔法の魔方陣をセットし、魔力の流す量で強火、中火、弱火の切り替えを行うのだ。


それはそれとして、今日はこのままテントで野営。交代で警戒する。


結界の魔道具もあるといいな。

それもエリに話した。


エリに言われて雑貨屋の商品から錬金術の用具と各種素材を渡した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る