第30話 救国の七猫について聞いた

冒険者パーティー『闇の調べ』の探索者シーカーにペロの父さん『闇猫』が謀殺された話を聞いた。


初対面の男の話を信じるのは、問題がある事から裏を取る為、情報屋に依頼する事にしたが、エリもハルカもペロもこの国の情報屋に詳しくない。


従って、またまたニャルマル商会のシャルさんに相談する事にした。


シャルさんには、借りばかり作って頭が上がらなくなっちゃうな。


どこかでドカンと借りを返さないと。


迷宮を出て、ニャルマル商会に向かう。


折角迷宮に入ったのに魔物を倒さないで出て来ちゃったよ。


でも、ペロの父さんの方が優先なのでしょうが無い。


「ところでペロ、『闇猫』とか『土猫』、『水猫』、『炎猫』等の二つ名が出てたけど、猫の王国では有名なの?」


「え!救国の七猫ななねこを知らにゃいの?」


「うん。知らない。何それ?」


「はぁ、遠い昔、魔王の脅威から猫の王国を救った、7人の大魔法使いの英雄達だにゃ。


その子孫が二つ名を継いでいるにゃ。


救国の七猫は次の通りにゃ。


光魔法を使う『光猫ひかりねこ』は、

現在猫の王国の国王で、白毛のペルシャのケット・シーにゃ。


土魔法の『土猫つちねこ』は、

騎士隊隊長で、茶毛のアビシニアンのケット・シーにゃ。


水魔法の『水猫みずねこ』は、

冒険者ギルドのギルド長で、青毛のシャルトリューのケット・シーにゃ。


火魔法の『炎猫ほのおねこ』は、

冒険者パーティー『極炎の宴』のリーダーで、赤毛のソマリのケット・シーにゃ。


闇魔法の『闇猫やみねこ』は、

父さんだったにゃ。

黒毛のボンベイのケット・シーで、アタシもボンベイにゃ。


風魔法の『風猫かぜねこ』は、

王国の宰相で、銀毛のコラットのケット・シーにゃ。


雷魔法の『雷猫かみなりねこ』は、

現在行方知れずで、シャムのケット・シーと聞いてるにゃ。」


「救国の七猫かぁ。ペロの父さんは凄い猫だったんだね。」


「そうにゃ。

自慢の父さんだったにゃ。」


「ペロは父さんの後を継いで『闇猫』になるのかい?」


「多分そうなるかにゃ。

今までは闇魔法のレベルが低くて、とても『闇猫』を名乗れる実力はにゃかったが、ショータと一緒にレベ上げしていたら大分『闇猫』のレベルに近付いたにゃ。

父さんにはアタシ以外に親戚もいにゃいので、いずれ『闇猫』は継ぎたいにゃ。」


「そうか、レベ上げ頑張ろうね。」


「これからも宜しく頼むにゃ。」


「それから、この世界には魔王がいるんだね。今でもいるの?」


「いると聞いた事がある気がするにゃ。詳しくはわからにゃいにゃ。」


エルフのエリが答える。

「魔王は現在もいるのじゃ。魔王が治める魔族の国が遥か北にあるのじゃ。そして人間の国と戦争しているのじゃ。」


「魔王と魔族って強いよね?

もしかして今も人間側に勇者っているの?」


「今も勇者はいるのじゃ。

勇者の力で魔族の国と均衡を保っている状態じゃな。」


「勇者って転生者?」


「いや、ちょっと違うのぅ、異世界からの転移者・・・と聞いているのじゃ。

転生者はごく稀にこの世界で生まれる異世界の記憶を持った者。転移者は異世界から来た者じゃ。

転移した際にギフトという大きな力を授かるらしいのじゃ。」


「なるほどね。」

俺は勇者では無い事が分かった。

しかし、魔王と勇者がいるのか?

ラノベの世界まっしぐらだ。

復讐するときに勇者とか魔王が絡むとちょっと面倒かな?

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