第5話 村に行きました

川に到着。


途中魔物を沢山倒し、レベルを少し上げて魔石も取った。

もうポケットはいっぱいだ。


この世界には電気もガスもない。

それで原始的な生活をしてるのかと言うとそうでは無い。


魔道具と言う魔法をベースとした道具により文化的な生活が出来る。


その魔道具は魔力で動作する。そのエネルギーとなる魔力は魔物の魔石を使っている。


魔石は所謂いわゆる電池の役割を果たす。


従って、魔物の魔石は必需品で消耗品。魔石は売れるのだ。


スライムやゴブリンも小さな魔石ばかりだが、これだけ魔石があれば、当分は生活出来るだろう。


川の水を飲んで喉を潤すと腹が減ってきた。

1日や2日食べなくても死なないと思うが、食事はしたい。


火を起こす魔道具は持ってないし、魔法も使えない俺は町に行かないと飢え死にしてしまう。


両足に気を集める。

同時に気配探知を行う。

大分スムーズに同時発動が出来るようになった。


レベルも上がって、走る速度も上がったみたいだ。

落ち着いたらレベ上げをしよう。

あの町の、あの国の奴らに、復讐するにはもっと力をつけないとダメだ。


川沿いを下って町を目指そう。

俺は走った。


途中気配探知で魔物を検知したら遭遇しないように避けて通る。


暫く走ると畑が見えてきた。

近くに人が住む集落があるだろう。


畑の中に木造の素朴な家が見える。

茅葺き屋根。

町では無いな。村の様だ。

農村だな。


農作業をしている第1村人発見。

俺は両足の気を身体全体に散らして、ゆっくり歩きながら村人に近付く。


気配探知は未だしている。

第1村人の近くには他に人はいない。


「こんにちは」

出来るだけ明るく爽やかに村人に声をかけた。


この世界のショータには出来ないコミュニケーション能力だ。

ショータは鬱積した思いを日々抱えて殻に閉じこもり、人とのコミュニケーションを苦手としていた。

いつも周りに脅え話す言葉も呟きの様な小声だ。

日本のサラリーマン経験が活きる。


「おう、おめさどこからきただ。」

第1村人は農作業を止めて、俺に振り返り聞いて来た。


「俺の名前はショータです。山の向こうの町から来ました。崖から落ちて町に戻れなくなったので、川沿いに歩いていたらここに出ました。」

丁寧に状況を説明する。


「オラはゴヘーだ。難儀なこったな。この先に村長の家があるだ。大きな家なのですぐ分かる。村長に相談すればよかっぺ。」

ゴヘーさんは丁寧に教えてくれた。


「有難う。村長さんの家に行ってみます。」

お礼を言って俺は教えられた通りの方向に歩き出した。

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