第2話 朝日に照らされて

 レースのカーテンが揺れている。

夜半に開けた窓から風が流れ込んでくる。

おれの身体は火照り続けている。

風が身体を冷やしてくれる。

おれは横たわって片手で頭を支えている。

隣ですやすやといもうとが眠っている。

裸体を覆う毛布はいもうとのかわいらしい寝顔は隠さない。

風が優しくいもうとの頬をなでた。

おれは優しくいもうとの頬に口づけをする。

「うふん」といって、いもうとが起きだす。

「おにいちゃん、おはよう。もう朝なの?」

「うん朝だよ。眠れた?」

「うん、ぐっすり。おにいちゃんは?」

「ん?にいちゃんはずっと朝までお前のかわいい寝顔を見てた」

「ごめんね、ベッドがシングルなのにわたしが占領してたから眠れなかったんだ。朝ごはん準備するから、少しでも休んで。」

「わかった。ご飯が出来たら起こしてな」

「うん、ゆっくり休んで」

いもうとが起き上がってベッドに座った。

朝日に照らされたいもうとの一糸まとわぬ背中、白く輝く美しい肌が目にまぶしい。

昨夜のバスタオルを身にまとっていもうとがベッドから立ち上がる。

バスタオルのすそからいもうとの「からだ」が誘ってくる。

朝からおれはどうしようもないけだものの情欲を抱いてしまった。

ぱたんと音を立てていもうとが部屋から出て行った。

バスルームからシャワーの音がかすかに聞こえてくる。

昨夜の営みが洗い流されてゆく。

おれは部屋のカーテンを閉めて、男の身体の疼きと深いまどろみに身を委ねた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る