第7話 微睡みこ × 小清水泉
泉
〔はじめまして小清水泉です〕
夜、御前浜美咲や安井宮子とメッセージアプリで話してから、泉も
まどろみ子
〔こんばんは、窓ロミ子です〕
え…?
美咲さんと「まどろみ子さんというのは、窓・ロミ子さんですか」と話をしていたのは覚えています。
でも微睡さんは寝ていたはずです。どうして知っているのでしょうか。
まどろみ子
〔びっくりしたか?〕
泉
〔それを知ってると言うことは、実は寝てなくて、聞き耳を立てていたんですか?〕
まどろみ子
〔そんなこと寝ててもわかるよ〕
〔寝てても耳から入ってくる音声が記憶されるんだ〕
〔小清水さんと
そんなことがあるのでしょうか。すぐには信じられません。
泉
〔特殊能力というやつですか?〕
まどろみ子
〔人を異能みたいに言うなよ〕
泉
〔ごめんなさい〕
異能ってなんでしょう…字が違うけど伊能忠敬と関係する何かでしょうか?
まどろみ子
〔
その会話も聞かれていた…耳に入っていたようです。でも大丈夫、外部進学した理由を聞かれるのは覚悟はしています。
泉
〔はい、それで同じ中学出身のお友達が居ないので、是非お友達になりたいとQRコード読み取りました、高校でのお友達第1号です〕
まどろみ子
〔それは光栄だ。友達なんだからそんな丁寧にしなくて良いぞ〕
泉
〔ありがとうございます!〕
〔QRコードを表示しとくと友達増えますか?入れ食い状態でウハウハですか?〕
まどろみ子
〔言い方が悪いな、10人ほど増えたがうち1人はブロックした〕
泉
〔私もやってみようかな〕
まどろみ子
〔やめといたほうが良い、面倒ごとも増えるよ〕
いい方法かも知れないと思ったのですが、確かによく知らない人とつながるのは怖いかもしれません。
まどろみ子
〔部活は決めたのか?〕
泉
〔まだです〕
〔ピアノレッスンに行ってるので、それに影響が出ないような部活が有れば良いんですが〕
まどろみ子
〔寝てても良いような同好会を作ろうと思ってるんだ、良かったら参加してくれ。申請するときの活動内容をどうしようかと思っていたんだがピアノ同好会という名目が有れば許可されるかも知れない〕
それは思っても無い話です。ピアノ同好会。でも、ピアノが有るのは音楽室、そこは吹奏楽部が使ってると思うので他には…体育館の舞台袖にあるピアノを使うんでしょうか。学校用とは言えグランドピアノは高価品です。同好会が使わせてもらえるのかどうか…。それに舞台袖で微睡さんは昼寝をするのでしょうか。
まどろみ子
〔ピアノ上手いのか?〕
泉
〔去年の学生音コン中学の部で入賞しました〕
まどろみ子
〔それは凄いじゃないか〕
泉
〔そうなんです、私凄いんです!褒めて下さい称えて下さい!〕
まどろみ子
〔すごいすごーい〕
泉
〔褒めて称えられた気がしません〕
まどろみ子
〔すまない、どのくらい凄いのかわからない〕
泉
〔9回裏ツーアウト満塁フルカウント得点差3点、そこで代打逆転サヨナラ満塁ホームランを打って優勝するくらい凄いです〕
まどろみ子
〔ふーん、凄そうだな〕
泉
〔なかなか褒めて称えてもらえません…〕
まどろみ子
〔野球をよく知らない、でもなんとなくだが凄そうな気がしてるよ〕
泉
〔はい〕
まどろみ子
〔そろそろ寝落ちしそうだ。今度ピアノ聴かせてくれ〕
泉
〔あ、はい、おやすみなさい〕
まどろみ子さんは急に寝落ちしました。眠いのを我慢していたんでしょう。
あれ、そう言えば今回も外部進学した理由を聞かれませんでした。
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