第2話 小清水泉
北山高校は地元の東中、西中、南中、北中の4中学出身者がそれぞれ約4分の1ずつを占めている地域密着の公立高校だ。
そんな中、
学校に男子が居るなんて、なんてことなのかしらこの緊張感。しかも、他の人たちは同じ中学出身者同士で喋ってるみたいだけど、私は完全に孤立しています。華々しく共学校デビューするためにも早く友達を作らないといけません。
声をかけやすそうな人が居ないか、泉は周りを見た。机に突っ伏して寝ている女子が目に留まった。
スマホの画面を点けっぱなしにして寝てる子が居るわ。なんだかみんなその画面をわざわざ覗きに行ってるみたいだし、背の高い男子が画面の写真を撮ったみたい。私も行って覗いてみましょう。
(私と友達になりたい者はこのQRコードを読み取りなさい 微睡)
友達!なりたいです!ピッ
「やりました、読み取り成功!」
泉は迷うことなくQRコードを読み取り友達追加した。新着「まどろみ子」。
窓 ロミ子?
親がロミオとジュリエットの大ファンかなにかでしょうか。突っ伏してらっしゃるので、お顔がわかりませんが、個性的なお名前の方のようです。QRコードを読み取ったのでこの学校での友達第1号です。
背の高い男子もQRコードを読み取っていたようなので、彼もまた「まどろみ子」さんとお友達になったのでしょう。友達の友達…なので勝手に友達第2号です。
部活の話をしていたようですが、私も部活を考えないといけません。部活に入ったら、部活仲間ができるから。放課後は週2回ピアノのレッスンが有るので緩い部活が有れば良いのですが。狙い目は部が存続するための人数が足りなそうな部活です。人数合わせに入部して幽霊部員になれたらピアノレッスンに支障が出ません。あ、でも困りました。幽霊部員になったら、部活仲間ができません。これがジレンマというやつですね。
カシャ カシャ
さっきからスマホで写真を撮りまくっている女子が居るのですが、あ、2人でピースしながら自撮りをしています。私もピースしたら友達になれるかしら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます