まどろむ女子高生
柏堂一(かやんどうはじめ)
第1話 日之池亮
(私と友達になりたい者はこのQRコードを読み取りなさい 微睡)
北山高校入学式の日、式典が終わって教室に戻ると
なんだこれ?微睡…びすいって、あ~
東中学の微睡みこは亮の通っていた西中学でも有名だった。学校でも塾でも、授業中でも休み時間でも、いつでもウトウトしている女子。
ついたあだ名はまどろみさん。いつも
本人は睡眠学習をしていると言っているそうだが、実際は夜中に猛勉強しているんだろうという噂だ。
なんか面白そうだ、とりあえず読み取って友達追加…と。友達リストに新着「まどろみ子」と言う名前が表示された。間違いなくこれが
「おーす、亮、同じクラスになったな~」
声をかけてきたのは同じ
「おう、よろしくな~」
「なにやってんだ?」
「いや、これ」
そう言って微睡さんのスマホを指差した。
「微睡…?なんて読むんだ?」
「びすいだな」
「びすい…お~、かの有名な
「した、面白そうだからな」
「相変わらずヘンなヤツが好きだな~、オレはいいや」
ヘンなヤツが好きとはなんだ、個性的なヤツが面白いと思うだけだ。
「亮は部活どうすんの?やっぱりバスケ部か?」
「いやバスケはやめるよ」
「マジか?お前は実績あるし背も高いし、絶対しつこく勧誘されるぞ、断りきれるのか~?」
確かに自分で言うのもなんだが俺はバスケがうまかった。間違いなくしつこく勧誘されるだろう。しかし中学の時にある出来事が有ったので、高校では入部しない。バスケはもうやらない。
おそらく先輩は「もったいないから続けろ」と言ってくるだろうが、そこは「もうやり切った」と言うつもりだ。
「やりました、読み取り成功!」
茶髪ロングの女子がQRコードを読み取ったあと小さくガッツポーズをして席に戻っていった。
「今の子かわいいな」
「岡本…惚れやす過ぎるのは良くないぞ。すぐにコクるとかやめとけよ。高校に来ていきなり連続失恋記録が更新されるぞ」
「フラれる前提で言うなよ~、いろんな女子とお近づきになりたいな~」
「じゃあまずはQRコードを読み取れ」
「俺はヘンなヤツは苦手だよ~」
「ものすごい美人って話だぞ」
「マジか?!」
ピッ、岡本は即座にコードを読み取った。意志の弱いヤツだ。
それにしてもヘンなヤツ
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