青春の欺面

@harukazekano

プロローグ

誰も俺の本当の素顔は知らない知るはずがない。だって見せたことがないのだから。今まで幾度と転校を繰り返した。明るい少年、卑屈な少年、頭のキレる少年。数々の役をこなして来た。


本当のことを言えば自分でももうどれが自分か分かっているのかそれすら不安なところだ。


唯一分かるのは俺の名前は西宮碧(にしみやあおい)17歳、今自分で分かることはそれだけ


「碧!またな!」

「ああ!機会があったら会おう」

「「またな!」」


はいこれであいつらとの関係は終わりだ。また合う気など微塵もない。


だが次の転校先が恐らく自分の転校生活の終着点だ。これまでは親の転勤の付き添いだったが次は一人暮らし。


「もう仲の良い友達と離れるのは嫌なんだ!」


「碧……」




涙目で泣く一歩手前の叫び。言ってみるもんだなこれであの愚親との旅行生活もしなくて済む。それに仕送りもあると来た。まぁバイトはする気だがこれ以上無い出来だな。


さて次の学校ではどう過ごそうか静かにひっそりと暮らすのも良いな。


こんなに心躍る気持ちになったのは何年ぶりだろうな…






**********






誰も私の本当の素顔は知らない知るはずがない。だって見せたことがないのだから。今まで幾度と転校を繰り返した。明るい少女、物静かな大和撫子、ただ男子に笑顔を振りまく女の子数々の役をこなして来た。


本当のことを言えば自分でももうどれが自分か分かっているのかそれすら不安なところだ。


ただ名前が楠朱音(くすのきあかね)それしか自分が自分という証明がない。


「朱音本当に一人で大丈夫かい?」

「お母さんもう私もうすぐで17歳だよ、金銭面以外はある程度は大丈夫だよ〜」

母は心配症だ…


「いってらしゃい」

「行ってきます」


やっと家を出れた。これで念願の一人暮らし新しい学校楽しみだな






「「さて何をしようかな」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る