ゴリラ帝国物語
千田陽斗
第1話 ゴリラ帝国の成り立ち
現在、ゴリラたちはアフリカ大陸の西と東に別れて住んでいる。
なぜこうなったのか?
そこには時を越えた複雑な因縁がある。
ゴリラは人間と同じ祖先から進化した。
ゴリラと人間が別々の生き物になったのは一千年前の話だ。
神はきっとゴリラたちに力と素朴さを、人間に賢さと好奇心を与えたのだろう。
大陸にはやがて、広大で緩やかに統治されたゴリラたちの共同体が築かれていくことになる。
それはまさにゴリラの帝国だった。
彼らは力を合わせて天敵から自らを守ろうとした。
人類が国家を築くよりもはるか昔の話だ。
ゴリラの天敵は彪やチーターといった肉食獣である。
スピードや殺傷力では、個々のゴリラはまるで敵わないので、ゴリラたちは団結を選んだ。
かつてのゴリラたちは今よりも戦闘的だったのだ。
ゴリラ帝国の維持に書かせない要素は食糧だ。
ゴリラたちの主食は草で、毎日多量の草を食べその筋肉質な肉体を維持している。
一方人類たちは賢さと引き換えに野生の本能をなくしていった。
小枝や石を器用に加工できるが、大自然のなかではめっぽう弱い。
進化したばかりの人類はゴリラ帝国の庇護を受けて慎ましく暮らしていた。
あの日、ゴリラを含め全野性動物が恐れる、あの禁忌に人類が触れてしまうまでは。
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