02 アリオの場合



(アリオの場合)


「え、あの猫の名前?」

「そうなの、アリオは何か良い案ない?」

「うーん、名前なんて本気で考えた事ないからよく分かんないけど、男だったらやっぱり強い名前が良いと思うよ」

「そう? アリオがそう言うならそうなのかもしれないわね。じゃあ、ゴンザレスとか、スーパーキャットとか、そんなのが良いかしら」

「ぷっ。そんなの誰も喜ばないよ。お嬢って相変わらずそういうののセンスがないよね」

「……笑うなんてひどいわ。だったら、何かアリオは良い名前思いつくの?」

「え? うーん。えっと……(まいったな、どうしよう。名前とかつけたことないから全然思いつかないよ。でも、お嬢怒らせちゃったし、何とかしないと)」

「何も思いつかないの? 意地悪なこと言うアリオなんて知らない」

「ええっ、怒らないでよお嬢! すぐに思いつくから!」

「そう(じーっ……)」

「えっと、ええっと。うーん……あ、そうだ!」

「何か思いついた?」

「神様だから、ゴーっとかガーっとかドドド―っとか、そういう強そうな言葉を組み合わせたらいいかもしれないよ。例えばえっと、ゴッド……? とか……?」

「こんな時に駄洒落言うなんて、私は真剣に悩んでたのに、アリオなんてもう知らない!」

「えええ! 駄洒落!? ごめんお嬢今のふざけたわけじゃないんだってば。待ってよ!」


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